投稿者:にえべすGT-TURBOさん
それはウチらの高校の夏合宿の最終日のことでした。
その日は6泊7日の最後の夜だったので
徹夜で盛り上がっていました。
そして、怪談話になりました。
そのホテルでは「出る」という噂があり、
否応なしにかなり恐ろしい雰囲気になっていました。
ある友人が、「こんな話しよったら(霊が)寄ってくるっさね。」と言いました。
そして、霊感のある別の友人(以後N君とします)が
「ごめん、結構肩が重い。」と言いました。
これで、部屋にいる全員がその噂は本当なんじゃないかと疑いました。
その後、僕は隣室でも怖い話をしてくれと言われ、
あまり行きたくはなかったけど半強制的に連れて行かれました。
先生に見つかるといけないので、ベランダを通って
隣室に入った瞬間に異様な雰囲気を感じ、
早く戻りたかったので1つ話をした後すぐに自室に帰りました。
部屋に戻ると、全員が怯えていました。
聞くと、廊下には誰もいないのにドアをノックされたそうです。
そして、6人中さっきのN君ら3人が隣室に行きました。
すると、3分もしないうちに走って帰ってきました。
N君は肩に乗られたと言い、別の1人は胸が苦しくなったと言いました。
何も感じなかったのは住職の息子だけでした。
そんな話をしていると、とうとう見てしまったのです。
障子の向こうに移動する影を。
最初はベランダを誰かが走って行ったのかと思いましたが、
移動速度からして足音がするはずなのに
音も立てずに真横にスライドする感じでした。
しかも、部屋は建物の角だったので誰かが通ったならば、
僕らの横の窓の外を通るか、その障子を引き返すはずなのに
そのまま消えてしまいました。
隣に座っていた友人も見たと言っていました。
これで確信しました。
「このホテルには絶対居る」と。
一夜明けてみんなに話をすると、
ある女の子は8階を通るときに髪を引っ張られたとか
別の娘はめまいがしたと言っていました。
(女子の部屋は9階以上)
もう気づいた方もいるでしょうが、僕らの部屋は8階でした。
ちなみに隣の部屋の友人は2度白いシャツの男をみたそうです。
1度目はその前の日にベランダで、そして、2度目は僕らの部屋の前の廊下で。
さらに衝撃的な情報が。
どうもそのホテルでは自殺があったそうです。
真偽のほどはわかりませんが。
とにかく、それはこの夏一番の思い出になりました。
あの夜はとても長く恐ろしいものでした。
僕があのホテルを利用することはもう無いでしょう。
ちなみに、そのホテルは長崎県内の火山で有名なS市内にあります。