佐波川ダム

怖い話

佐波川ダム

投稿者:マジェスタさん


今から7年程前下関で学生をしていました。

その頃、暇にまかせてよく心霊スポットに行っていました。
ある日、テレビ番組に佐波川ダムの映像が写され、
そこには幽霊のようなものが写っていました。

それを見た私たちはそのまますぐにでかけました。

三人の友人が私の車に乗り込み一時間程かけてそこに着きました。

夜中の十二時を過ぎていて辺りには電燈もなく真っ暗でした。

私たちが不気味やなとか怖いなとか言っていると友人Aが、

「お前ら子供か何が幽霊や、一人でもあのトンネル行けるわ。」

と言ってジッポの火をつけ中に入って行きました。
しばらくして出てくると、「途中に小さいトンネルがあるが
別に変わったことはない。」と言って、

怖がっている私たちを馬鹿にしています。
私は腹が立ち、入り口付近にあった慰霊碑につばを吐き、
でてこいと言っていました。
するともう一人の友人Mがきて慰霊碑に小便をかけながら

「俺が一番強い、かかってこい」と言い始めました。

しばらく騒いでいましたが、何も起こらないため車に戻りました。
車中に残っていた友人Nに、「お前らたたられて死ぬわ」と言われ、
私たちはまた車の窓を開け、

いつでもこいと叫びながらそこを後にし、帰りました。

次の日、私は夜9時頃に起きテレビをつけました。

テレビを見ていると風呂場からキュツキュツと音が聞こえます。
初めは気にならなかったのですが、その音がずっと止まらないので
何か確かめようとテレビをきりました。

その途端風呂場を叩くドンドンという音にかわったのです。
私は怖くなって部屋から飛び出し
アパートの隣にすんでいる友人のところに駆け込みました。
驚いている友人に事情を説明すると、
何かそういうことが起こるようなことをしたのかと聞かれ、

ダムでやったことを言いました。
それなら他の奴にも何か起こっているだろうと言い、
Mに電話しました。
私が何かおかしいことないかと訊ねると、Mは
「何もないが台所が騒がしい。ネズミでもいるのだろう」と言っていました。
私は自分に起きたことを説明してすぐに迎えに行き、
知り合いの住職さんのところに行きました。
私が今までのことを住職に話すとものすごく怒り、
幽霊とかは信じてないがお前達がやったことは人として最低だ。

慰霊碑を磨いて謝ってこい、と言われました。

それを聞いていた奥さん[私の後輩]がそんなに怒らずにお払いしてあげてと頼むと、

住職さんは急ににこにこしてお払いしてくれました。

歳が15離れた奥さんがかわいくてしかたない様子でした。
帰るときに塩を貰い、窓と玄関に盛りました。
するとその日から何も起こらなくなりました。
この話は,別に怖くないでしょう。
実際私も忘れていました。
しかし、2年前Aから電話がありました。
自信家で高飛車だったAの面影すら思い浮かばない弱々しい声でしかも、

会話すらまともにできません。
30分程話してだんだん苛々してきました。
そのうちAが「もう死のうか」と言い出した時、
私は「そんなに死にたいのなら死ねばいい」と言ったのです。
すると電話がきれました。
それから3日後、Aと仲の良かった友人から電話で
Aが自殺したことを知らされました。

葬式の日、学生時代の友人が集まったのですが、
みんな同窓会気分でAが死んだことには
あまりかわいそうだという気持ちはありませんでした。
それから二日後また電話があり今度はNが脳内出血で
意識不明だとMから連絡を受けました。

その時、佐波川ダムに行ったことを思い出しました。

そういえば、あいつらは御祓いをうけてない。

しかもAが自殺したのも佐波川に行った、一月二十日だった。

Nは助かりましたが好きな車には乗れなくなりました。

実は私とMは、AとNのことがあまり好きではないですし、

それに御祓いをうけたのも幽霊の仕業と思ってではなく、

ただどんなものかおもしろがっていただけだったので誘わなかったのです。

今もあまり信じてはいませんが、偶然にしてはすごいと思い送りました。

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