投稿者:machioさん
私が、母から聴いた話です。
それは、福岡のある農村での事です。
私の母が、まだ高校生だったころ。
夕暮れも過ぎて暗くなった頃、
母が、実家の家から買い物で山道を下っていったときの事です。
当時は、外灯もほとんどなく、いつものように暗い夜道をあるいていました。
そのとき、上空を光の群れが飛リ過ぎていったそうです。
それは、村の墓場の方に向かって行きました。
母が言うには、それは沢山のヒトダマだったそうです。
怖くなって、母は、急いで家に帰りました。
後で解ったそうですが、驚いた事に、その日のその時刻、
近くの炭鉱で大きな落盤事故があり、
村の人を含めたくさんの死傷者が出ていたそうです。
母が、ひとだまを見たのはこれが最初で最後だそうです。
ちなみに、もう亡くなりましたが、母の父の話です。
(つまり私のおじいさん)
まじめでしたが、酒が好きな人でした。
若い頃は、村の行事や集まりでよく深酒をして前後不明になり、
何処をどう歩いたか起きるとよく村の墓場で目を覚ましたそうです。
剛胆な、おじいさんは母によく、
『若い頃は、よく狸にだまされた。』と笑っていたそうです。