投稿者:えむさん
小学生の頃。
私は自室でピアノの練習をしていました。
自室は二階で、階下では家族がテレビを見ています。
1時間ほど練習して、ふと手を止めました。
なにげなく横に目をやった瞬間、腰掛けた私のちょうど胸あたりの高さを
金茶色の髪の毛の人間の頭だけが通り過ぎてゆきました。
宙にうかんだまま、妙にゆっくりした動きで平行に進み、
やがてピアノの陰に隠れて見えなくなりました。
一瞬なにが起こったかわからず、そのままピアノを弾き始めようとしたのですが
どう考えても「ありえない」と認識した瞬間、
ものすごい勢いで階段を駆け下りていました。
階下の家族は、あまりに真っ青な私の顔色をみてびっくりしたそうです。
家ではペットなども飼っていませんし
なにと見間違えるにしろ、位置も動きも不自然すぎるのです。
あれはいったい何だったのか、今だにわからないままでいます。