投稿者:GT-Rさん
ある人から聞いた話です。
小さい頃、とても仲の良い友達(仮にA君)がいたそうです。
ある日、彼は遠い地区に住んでいるA君の家に遊びに行きました。
A君の家はなぜか静まり返っていたそうです。
いくら呼びかけても何の返事も無いので、
彼は呼びかけながら家の中に入りました。
静まり返った家の中、一番奥のA君の部屋へ行った彼は、
室内に敷いてある布団を見つけました。
もう昼なのに敷いてあるのはおかしい、
風邪でもひいているのかと思った彼は、
「Aちゃん」と言いながらそれをめくりました。
そこで彼が見たものは、血まみれになって死んでいるA君の姿だったのです。
パニックになった彼は、家にいるはずの
A君の両親に知らせるため、居間に行きました。
しかし、居間でもその二人が血まみれで死んでいました。
泣きながら家に逃げ帰った彼でしたが、
子供だった彼はそのショックで記憶を封印してしまったのです。
年月が経ち、十七歳の時不意にその記憶が戻った彼は、A君の家にいってみました。
しかし、そこには荒れ果てた廃屋があるだけです。
わずかに面影はありましたが、どう見ても数十年は放置されているようでした。
誰に聞いてもA君なんて知らないと言います。
いったいどうしてなのか?
その理由がわかったのは、図書館で新聞の縮刷版を見たときでした。
「一家心中」と題されたそれは、病気を苦にした父親が
妻子を殺し自殺したというものでした。
やはり事実だったと思った彼は、新聞の日付を見て仰天しました。
なんとそれは・・・
五十年も前の記事だったのです。