投稿者:かえでさん
この話は数年前、父方の祖父が亡くなったときの話です。
元々病気で入院していた祖父が亡くなって、お通夜の夜。
あの時は叔父の家の近所の公民館のようなところを借りて
通夜から葬儀まで行ったんですが、
とにかくあまり小ぎれいとは言えない建物で、
夜のトイレは一人で行くにはなかなか厳しいものがあったんです。
んで、そのときは結局(ちょっと情けないことに)
まだ幼い従妹についてきてもらったんです。
さすがにそれでも気味が悪く、さっさと済ませて
出ようと水を流したときでした。
聞き覚えのある男の声で、「かえでー」と呼ばれ、
私は「何だよ人が用を足してる最中に」と思いながらも、
「なーにー!?」と返事をしました。
が、返事が返ってこないではないですか。
私は、父か叔父が用事があって呼んだのか
いたずらだろうと思い、皆のいる部屋へ戻りました。
が、聞いても誰も呼んでないと言うんです。
まじめくさった顔で。
よくよく考えれば確かにおかしいんです。
聞こえた声の感じからして、距離はそんなに遠くなくて、
だいたい隣の部屋から呼ばれたくらい(要するに隣の男子トイレあたり)。
従妹は誰も広間から出てないと言うし。
(トイレは広間から廊下で一直線の所にあり、
人が出入りすれば見なくてもわかります)
しかもその声は私以外の人間は聞いてない。
まあそのときはゾッとしながらもうやむやにしてしまいましたが、
今考えると、亡くなった祖父が、生前見舞いに行ってもまともに話せなかったので、
最後の最後に私と話がしたかったのかな~と、勝手に結論づけてます。
(会話なんて出来るわけないんですがね)