初日の出にて

怖い話

初日の出にて

投稿者:達哉さん

この話はもう15年以上も前の話ですが、
その当時付き合っていた彼女と初日の出に行くことになりました。
いつも初日の出には近くの海岸で済ませていたのですが
その年は人気のないところに行こうということになり
彼女の家に近い海岸を目指していましてた。

(私の家から1時間ぐらいのところでした。)

その海岸に出るためには山を越えなければいけなかったのです。
道といっても車が一台分しか通れない山道で、
電灯も民家もなく、なんとも不気味な感じでした。

でも、地図を見ると間違いなくこの道でした。
ふと、見ると道が二手に分かれていて、
地図を確認したところ左側の道を行けば海岸にでることが判りました。

左に曲がり、更に右にカーブしていたので道なりに車を走らせました。

すると、目の前にほの暗い電灯が点いている小さなトンネルが現れたのです。
私は霊感なんてないほうなんですが、
そのトンネルを見たとたん全身に鳥肌が立ちました。

『ここはやばい!』と叫んでいました。
彼女もそれを感じたらしく、『早くここから離れて!』と叫びました。

(彼女は少し霊感があるほうでした)
とはいえ、幅の狭い道なのでUターンも出来ないので
バックで戻るしかしかありません。

『早く!早く!』彼女の声は涙声に変わっていました。
私もその言い知れぬトンネルの不気味な雰囲気から
一刻も早く逃げ出したい一心でした。

見えない何かが襲ってくるようなそんな感覚でした。
バックのまま何とか二手に分かれてる道まで戻り、
Uターンしてその場から逃げ出しました。

彼女は鳥肌を立てたまま震えていて、家に帰るまでずっと無言でした。

翌日、彼女の家に電話したところ熱をだして寝込んでいるとのことでした。
そして、熱が治まり彼女と会い、その話をしたところ、
白い女の人がこちらに向かって来たとのことでした。

トンネルが見えなくなるとその姿は見えなくなったらしいのですが・・・。
彼女が親から聞いた話によると、以前女の人が
そのトンネルで自殺を図ったらしいのです。
それ以来そこには行っていません。

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