投稿者:たばこさん
高校時代の話です
同級生5人で幽霊を見に、友人Aの家に泊まりに行くことになりました。
彼の家はおばけ屋敷と校内で有名でした。
なぜかというと、Aの家系は戦国武将の一族で、
先祖代々、専属の霊媒師一家がいるそうです。
これだけで、かなり不気味なんですが、家がそれ以上に気持ち悪い。
昔のお寺のような匂いがするんです。
彼の家は古風な日本屋敷を改築した建物で、
閑静な雑木林の中にボツンとあります。
所々、読解不能な呪文のような白札が貼ってあり、
また玄関には塩が小皿に盛ってあったと思います。
私達は彼の部屋に泊まったんですが、彼の部屋は2階の角部屋でした。
部屋から長い廊下の突き当たりにトイレがあり、
部屋からトイレのドアが見えます。
その廊下の左側は窓が並んでいて、
ちょうど学校の廊下から外が見えるように、庭が見えます。
部屋の中にも、窓数箇所とドアに札が貼ってありました。
ただ部屋で幽霊を待ってるわけにいかないので、友人Aの兄を呼んで、
私達は酒を飲みながら麻雀して待ちました。
いつのまにか、幽霊より麻雀がメインになっていたと思います。
かなり勝負に熱くなっていたので、何時ごろか覚えてませんが、
当時TVでオールナイトフジという番組を見ていたので
深夜3時頃だったと思います.
突然、TVが電波障害のようにザーッとなり、写らなくなったんです。
そして次の瞬間、画面のノイズの中に、
ハッキリと老人男性の顔が浮かび上がって、
心まで見透かすような目で、ジーッとこちらを見てます。
みんな恐怖で酔いも覚め、もう麻雀どころじゃありません。
でも友人A兄弟は、少しも驚いてないんです。
その老人の顔を見ながら、
「無視無視、無視してれば消えるから。」
と冷静です。
私達は友人Aの兄に言われた通りに無理矢理に麻雀を再開しました。
怖くてTVの方は向けません。その画面の顔をきっかけに、
それから1時間ほど不可能なことが連続で起こりました。
誰かが部屋を何度もノックしたり,
廊下の足音や、部屋の明かりが点滅したりです。
家には私達以外、誰もいません。
その恐怖状態の中、今度は
「バサッバサッ」
と大きな音が廊下から聞こえてきたんです。
友人Aの兄が、
「いいかげんにしろ!、調子に乗るな!!」
と怒鳴って、部屋のドアを開けるとこちらに向かって、
居るはずのない神主が、部屋の前で正座し頭上で
何かを左右にフリながら祈祷してるんです。
体は湯気のように白く、一心に何か唱えてます。
その後ろには、無数の白い球体のようなものが浮かんでいて、
トイレまでの廊下、窓の外を埋め尽くしてます。
不思議なんですが、私から5,6メートル離れたところに居る
その神主の声は耳元で聞こえました。
胃に響く低い声です。
私は恐怖で声を出すことも動くことも出来ませんでしたし、
目を逸らすことすら出来ませんでした。
全身鳥肌です。
仁王立ちの友人Aの兄が「失せろっ」と、
再び一喝すると、その神主が彼をゆっくりと見上げ、
そして蝋燭が消えるように姿を消しました。
白い球体もなくなりました。
ほんの数秒間の出来事だったと思います。
でも、ただ消えたわけじゃありませんでした。
友人Aの兄が見せてくれたんですが、
彼の右手首から肩にかけて、真っ赤に太いミミズバレができていました。
お札にどんな効果があるのかは私にはわかりませんが、
お札があっても、幽霊は出没するみたいです。