投稿者:ゆうさん
私の学校のある本当にあった話です。
箱根にある某女子校(当時は女子高で、
今は共学にになりました)では奇妙な指導が
まかり通っていた。
「この合宿所でハンガーに制服をかける時は、
必ず、襟側が壁に向くようかけること」
そう、壁面に襟を向け、後ろ向きで
制服をかけなさいという指導なのである。
ほとんどの生徒は律義に指導を守っていたが
今年入ったばかりのある一年生の少女がそのまま、
普通に制服をかけて寝てしまった。
部活動の練習でくたくたとなり、誰もが睡眠をむさぼっていた。
しかし、その一年生の少女だけは何故か寝苦しく、
なかなか寝つけない。
猛練習で、身体が疲れすぎて寝れないのだろうか・・・
そんなことをおぼろげに考えていると、
誰かの視線を感じた。
「誰?暗闇の中に誰かいる?」
一年生の少女は恐る恐る視線をそちらの方に
泳がせてみた。
ぎょっとする。
一年生の少女がハンガーにかけた制服に、
生首が浮かんでいるのだ。
青白い少女の生首である。
そして、一年生の少女の視線と、
その生首の少女の視線が絡み合った。
生首の少女がささくれた唇で、にやっと笑う。
一年生の少女が恐怖のあまり、悲鳴をあげると、
生首の少女は消えてしまった。
悲鳴で、友人達がおきだし、騒ぎに、先生達がかけつけた。
一年生の少女が生首の少女の事を語ると、友人達は
半信半疑のような顔をしたが、先生達の顔が青ざめた。
昔、この学校に入学したばかりの少女が、
この合宿所で死んだのです。
これから学校生活を謳歌しようとしたときに・・・。
その死に方が、とても悲惨なものだったのです。
当時、合宿所は工事中で、生コンクリートが
乾いてない場所があり、運悪く、その場所に
少女が足を踏み入れてしまったのです。
少女の身体は生コンクリートの中にすぶすぶと沈んでいき、
首だけでた状態で、止まりました。
少女が泣きながら、助けをよびましたが、夕暮れどきで、
ほとんどの生徒が帰っていたので、誰も助けにきません。
生コンクリートは乾いてきて、少女の身体を締め殺してしまいました。
次の朝、少女の遺体が見つかります。
その顔は半狂乱で、顔全体に
血管が浮かびあがっているという、とても正視できない状態で。
それからというもの、この合宿所でハンガーに
制服をかけると、その少女の生首がでるようになったと。
全く、謳歌できなかった学校生活を謳歌したいがために、
まるで制服を着て現れるかのように……。
そう先生が語ったのです。
先生はもう二度、ハンガーには普通に制服をかけないようにと、
ハンガーを裏返すと、さっていきました。
それから、一年生の少女には何も起きず、
平穏な日々がすぎていきました。
しかし、ある日、一年生の少女はあることに気づきます。
「私は、今、あの少女の生首が浮かんだ制服をきている……」
「私は、今、あの少女の生首が浮かんだ制服をきている……」
「私は、今、あの少女の生首が浮かんだ制服をきている……!!!!」
「にやりと笑った、あの子の!!!!」
翌日、一年生の少女が田んぼで死んでいるのが見つかりました。
少女の首が無理やり90度に曲がって、
身体は田んぼの泥の中に埋まっているような状態でした。
浅い泥しかない田んぼでしたが、
それは首だけが出ているような状態だったとか。
それからというもの、某女子校では、更にきつく
「この合宿所でハンガーに制服をかけるときは必ず、
襟側が壁に向くようかけること」
という指導を徹底させているそうです……。