投稿者:B-HEARTさん
あれは今年の春頃だっただろうか、私の配送先に
とても愛想のいいパートのおばちゃんがいました。
名前は知らなかったのですが、挨拶をすれば
かならず元気に返してくれるほどの明るい人でした。
それが何故・・・急に亡くなられたのか。
その日、いつもの様にお得意先の地下に続く
スロープを台車を転がしながら進んで行くと、
何やら巨大な蜘蛛の巣に引っかかった様な
感覚に襲われました。
「またか・・」
こういった力を手にすると結構面倒くさい、
相手は自分の未練成就の為あらゆる方法で
コンタクトをとろうとする。
首を絞めるとか、背中に乗ってくる等などが
月並なパターン・・・
なんですが、この肩にそっと手を置く「やさしい」感覚、
初めての事だけに少し動揺しましたが
答えはすぐに出ました。
「K姉さんが亡くなったよ。」
地下の納品先で、従業員の方が教えてくれました。
顔と名前が一致するのに少々時間がかかったものの、
あのパートのおばちゃんだと理解しました。
「・・マジですか。」
なんでも一週間も前から無断休暇で、
発見された三日前には既に脈は無かったんだとか。
私が来た日、丁度息子さん夫婦が遺品を
撤収に来られていました。
その日の晩、背中に居るK姉さんを霊視してもらう為、
師匠の家に行き、何故私に憑いたのかを問いました。
「この人身寄りが無いんじゃない?・・いや、
在るんだけど無いようなものだって。
あと、何で憑いて来たかっつーと・・(私)のような孫が
欲しかったんじゃねーの。」
という答えが返ってきました。
後日、従業員の方にK姉さんの身の回りの事を聞きました。
確かに息子さん夫婦に子供はおらず、
K姉さんはその夫婦に気を使い、会社の寮に一人で
暮らしていたそうです。
そんな中にあって、あれだけ気丈に振る舞い、
まだ観ぬ孫の顔を私に見、求めたのかも知れません。
「師匠、K姉さんを守護にできないかな?」
今現在、何事も無く平穏無事に過ごせるのも
陰ながら支えてくれる人が在ってこそなのかもしれません。