投稿者:B-HEARTさん
福岡県の大宰府天満宮の裏に四王子山があり、
そこを貫く一本の峠道があります。(大宰府・宇美間)
その昔、大宰府政庁を元寇等の外敵から守る為、
霊的防御が施された(らしい)この山で
何十年か前に殺人事件があったという。
何でも、少女を誘拐しては峠の公衆トイレに連れ込み、
散々イタズラした挙句殺し便器に
捨てるというものだったそうだ。
其処では夜な夜な少女の霊が出没するんだとか。
「そんじゃぁ物見に行ってみますか。」って事で
私と師匠はその日の晩、大宰府側から車を走らせました。
蛇行する道を登り、お寺の横を通過、そして頂上へ・・・
師「居ないねぇ。」
私「宇美側じゃねぇ?」
さらに車を宇美側へと進める。
宇美側の道には二箇所の『公衆トイレ』が有り、
その一方の入り口に青白く透き通った少女は
たたずんでいました。
師「おぉー居る居る!」
私「どうする?車止める?」
師「いや、やめた方が良いんじゃねーの」
私達は少女を横目に道を下っていきました。
しばらく進むと川沿いに鳥居があり、其処の前に車を止め、
「見えた」感動の余韻に浸っていました。
師「んじゃぁ感動ついでにあれ見える?」
師匠の問いに鳥居の向こうを見ると、茂みに一体、
川の対岸に一体、奥に三~四体の霊がいました。
私「おぉスッゲー!」
更なる感動に浮かれていると
師「あ・・やべー、一体乗ってきた。」の声。
とりあえずその場を去る事に・・マジですか?。
除霊場所は行きがけに通ったお寺に決定、
再び大宰府側へ逆戻り。
トイレの少女を無視しつつ車を走らせました。
その地縛霊(浮遊霊?)は師匠の問答無用の
除霊をも拒み、私の車の屋根を叩く始末。
『バン!』
という音での抵抗に中断を余儀なくされ、
しばしコレ(霊)をどうするか考えました。
私「コイツ俺の守護にするっていうのはどうだろう。」
師「えっ!マジで?神上がりしてないけん、
あんまり良くないよコイツ。」
私「んー、一切衆生を救わんとする心は
海原の如くってヤツ?結構強そうやし。」
その言葉を聴いてか、霊は車内をグルグルと廻ったり、
師匠に憑いたり私に憑いたり。
師「お?喜んじょるね。」
私「但し、どうして亡くなったか位は教えてもらわんとね。」
この条件に応えたのか、私の頭の中に映像が
流れてきました。
どうも雨で増水した川を見に来て、足場が崩れたらしい。
岩が流れてくる処を見るに土石流だったんだろうか。
どうりで川沿いに留まっていた訳だ。
若者の好奇心も一つ間違えれば「死」に繋がるということか。
お互いの条件の成立ということで、
今現在私のお仲間です。
思わぬ拾い物をしたものだ。