投稿者:煉さん
あれは3年ぐらい前の話です。
家族で軽井沢に行く直前、岐阜県某寺
(一日百食限定のお蕎麦屋さん、老夫婦経営の近く)
に寄っていこうという話になりました。
そこは日本庭園が綺麗な所だということです。
蒸し暑い夏の日だったので、私は早くお寺に入って
涼みたいと思い、急いで坂に下りていきました。
しかしお寺に入ったとたん、急に冬の季節の中で
半袖姿にいるような寒さになりました。
まだそのときは「うわ、急に寒くなったなー」
ていう程度だったのですが。
だんだん奥に入っていくと寒さがいっそう寒くなり、
綺麗な景色なはずなのに空気が重たいような感じになりました。
小さな崖の上に庵のような建物、崖の急な傾斜に
無数のお地蔵さん、そのお地蔵さんたちの
中央に小さな滝が一つ。
その風景はみんなは綺麗だ綺麗だと言い
はしゃいでいました。
でも私はそれどころではなく、なんとなく早く
ここから出なければ!と思ったのですが、
親に「早くここから出ようよっ!」と頼んでも親は
疑問符を浮かべるだけ。
でも私の必死さに
「じゃあ、横の山覗いてから軽井沢に行く」
ということになりました。
私もそれに納得し、いざ山に登ろうとしました。
山道の入り口にあるお地蔵さんの横に
足を踏み入れた瞬間。
…ぽろ。ぽろ。ぽろぽろ。
と悲しくもないのに涙が流れる。
涙を止めようとしても涙が止まらないことに私は
パニック状態になり、急いでその場を離れました。
今思い返せば俗に言う、
霊に憑かれたというものではないかと思います。