投稿者:紅のプー太郎さん
去年の暮れに、福岡市方面へ
単身赴任している釣り仲間と、
ささやかな忘年会を開いた帰りに、起きた出来事です。
私鉄の駅で、途中で急行に乗り換える為、
少し早めに駅に着いて、ベンチに座って
缶コーヒーを飲みながら、電車を待ってました。
フッと気づくと、いつの間にか反対側のホームに、
カバンを持った背広姿の男性が立っており、
少し違和感を感じました。
改札を通ったら、俺の前を通って階段を登り、
橋?を渡らなければ行く事が出来ませんが、
まぁ~酔っぱらってる事もあり、あまり気にしてませんでした。
それとなく気になってたから、見てないフリして観察していたら、
髪型とか背広は見えるんですが、
どうしても顔だけがボヤけた感じに、見えるんですね。
無理やり光の加減のせいにして、電車を待ってると、
特急が通過するアナウンスが流れて、
ちょっとしたら特急の明りが近づいてきました。
男性が気になり、それとなく見ていると、
フラフラと線路側に近づいたかと思うと、
特急が通過する直前、飛び込みました。
スローモーションみたいに見えて、
特急とぶつかる寸前に目と目が合って、満足げに
「ニタリ」と笑ったのが見え、本当に何とも言えない気持ち悪い笑顔でした。
ぶつかる寸前、思わず「あっ!!」と声が出たかも知れませんが、
止まるはずの特急は、そのまま走り去り、
あるであろう死体も見あたりません。
平静をたもってましたが、近くにいた男性に声を掛けられ
「貴方にも見えましたか?
・・・・数年前、ここで自殺した男が、
今でも死んだ事に気づかず、同じ事を繰り返してるんですよ」
と言われました。
すっかり酔いも醒めて、行きつけのスナックで
飲み直しましたけど、いくら飲んでも全く酔わず、
布団に入っても寝つかれず、まんじりともせず夜が明けましたけどね。