おせんころがし
おせんころがし
高さ20メートル、幅4キロメートルにもおよぶこの
「おせんころがし」には、いくつかの悲話が残されています。
豪族の一人娘お仙は日ごろから年貢に苦しむ領民に心痛め、
強欲な父を見かねて説得しましたが、聞き入れてくれません。
ある日のこと、領民が父の殺害を計画し機会を
うかがっているのを知ったお仙は、自ら父の身代わりと
なり領民に断崖から夜の海へ投げこまれてしまいました。
領民たちは、それが身代わりのお仙であったことを翌朝
まで知りませんでした。悲嘆にくれる領民たちは、
わびを入れ、ここに地蔵尊を建てて供養しました。
さすがの父も心を入れかえたということです。
正面から。右側にお地蔵様が見える。
お地蔵様。
おせんころがしの背後にある崖。
ここから落ちたら確実に死んでしまうだろう…
おせんころがしではかつて
世間を騒がせた「おせんころがし殺人事件」の
舞台になった場所である。
昭和26年(1951)栗田源蔵は強姦目的で母子3人をここで襲い、
暴行の後崖から突き落とした。幸い、長女だけ助かった。
昭和27年(1952)に他の殺人事件も含め逮捕、起訴。
昭和29年(1954)控訴取り下げ、死刑確定。
昭和34年(1954)栗田源蔵の死刑執行