福岡県嘉穂郡碓井町
全国各地に残る「番町皿屋敷」伝説。
ここ福岡にも皿屋敷伝説が残っていた。
この井戸のかつての持ち主であったお婆さんに
2つある井戸のうちどちらか聞いたところ、
この四角い方がお菊さんの井戸だという事です。
●碓井町の碑より●
「一枚、二枚、三枚・・・九枚」と数えてから
ワァーと泣きくずれる、有名なお菊
皿屋敷伝説の地はここです。
昔、たいそうな豪農がいました。
ある日大切な客があり、
家宝の皿十枚を出してもてなし、
後片付けすると一枚足りません。
下女のお菊は主人から尋ねられので、
たしかに十枚を奥さんに渡したと答えました。
しかし、信じてもらえず激しく責めたてられたので
思い余ったお菊は裏の井戸に身を投じました。
それから毎夜、皿を数える
お菊の声が聞こえるようになったのです。
後日談としていいなずけの三平が
お菊の母と慰霊のための西国巡礼に行きます。
播磨国でお菊の母が亡くなったとき、
一人の女が来て供養するので夫婦になるのですが、
お菊の亡霊であったっという話もあります。
お菊の墓といわれるものが
上臼井の永泉寺に台石だけあります。
お菊大名神は、腰から下の病に効くといわれ、
かつて広く信仰を集めていました。
裏のお菊が身を投じたといわれている井戸は、
近代に改修されたものです。
●嘉穂郡誌より●
上臼井石竹に清左衛門という分限者がいた。
お客をもてなした後家宝の皿が一枚足りなくなり、
それを菊の仕業にした。
無実の罪をきせられた菊は井戸に身を投じて死にました。
その夜から怪異なことがおこりました。
菊の恋人三平と菊の母は
四国八十八箇所めぐりをして菊の回向をし、
三平は播磨の国で妻をもらい、
夫婦で寺に参り法要も終わり帰ろうと
ふりかえると妻の姿は無く、
妻の着物だけで衣類の中に石竹で紛失した
皿が一枚ありました。
三平はあまりの不思議さに僧に
今迄のことを話し菩提のため皿を寺に納めました。
井戸がふたつ(四角い石製と丸いコンクリート製)と古い木製の鳥居。
隣にお菊さんを祭ったお菊大名神がある。
中を見てみました。クモの巣がはっていて
見えにくいのですが、水はありました。
井戸は四角いのに、中は丸い・・・。
な実はこの丸い井戸が昔のお菊さんの井戸で
上の部分だけ、四角い井戸と代えたのだ。
四角い井戸の中が変に丸い穴だったのはこういうことであった。
お菊大明神
ちなみに屋敷のあった場所は更地になっている。
皿屋敷が更地になっているというのは
なんとも皮肉な話である。
このあと「お菊さんのお墓の台石」があるという
永泉寺に行きました。
永泉寺。
お寺を一周して探したのですが見つからず、
ご住職に場所を教えていただきました。
右端がその台石となるのですが、
元々このお地蔵さん達も
皿屋敷跡のあの場所にあったとのことです。
いつのまにかここに移転していたそうです。
これがお菊さんのお墓の台石だとのことです。
2014年再び訪れてみました。
皿屋敷跡の看板。
問題の井戸です。
四角い方に屋根が出来てますね…。
お菊大明神
中にお地蔵様が…前ありましたっけ?
皿屋敷跡にある石祠。
中には石がありました。
何を祀っているんでしょうか…。