熊本県人吉市土手町
永国寺(曹洞宗)
別名:幽霊寺
創立は応永15年(1408年)
●幽霊の掛け軸のいわれ
永国寺の開山実底超真和尚が描いたと伝えられている。
創建当時、近郷の木上に、さる知名な士がおり、
妾を囲ったが、本妻の嫉妬に悩み、球磨川に身を投げて、非業の死を遂げた。
しかし、その怨みが幽霊となり、本妻を苦しめた。
本妻は実底和尚の法力を頼り、当寺へ駆け込んだ。
和尚の前に現れた幽霊は、和尚より因果の道理を説き聞かされ、
和尚が描いた己れの醜い姿に驚き、和尚に引導を渡して欲しいと懇願し、
実底和尚の引導に依り成仏し、それから現れなくなったという。
本堂裏にその幽霊が出たという池がある。
永国寺には西郷隆盛の位牌がある。
明治十年(1877年)西南の役の際、
田原坂で敗れ、撤退する西郷隆盛は永国寺に本営を置き、33日間在陣した。
しかし、攻め寄せる官軍のため、5月29日に退却。
6月1日に永国寺も全焼したが、幽霊の掛け軸は燃え残ったと言う。
この掛け軸の写真を撮って、奇妙な現象が起こり、送り返してくる人もいるという。
ただ、大抵がお堂で公開している掛け軸の写真の写真であるそうだ。
送られてきた写真は、すべて供養して焼いているという。
幽霊の現れた池
永国寺本堂でも幽霊の掛け軸は公開されていますが、
本堂左のガラスケースに入っているのは複写(写真)です。
実は今回、本物を拝む事ができました。
(偶々テレビ番組の取材スタッフの方が来てまして、ついでに見せてもらいました。)
本物は一般公開していないようです。
上半身を大きくしてみました。
顔はこのように恐ろしい顔をしています・・・。
↓
幽霊の胸のあたりに男の顔が浮かび上がっているという話をご住職も聞いたと言う。
「この幽霊の掛け軸 永国寺は男を取りこんでいる。」
見るとそれらしい跡がわかる。
また、ここには幽霊の掛け軸がもうひとつあります。
熊本県の植木町に住む個人所蔵だったものをお寺に持ってこられたそうです。
家に置いておいて悪いことがあったらしいです。
ちなみにこれも一般公開してないです。
最後にご住職の一言。
「元来、幽霊の掛け軸とは縁起物」
幽霊は「あしが出ない」
昔はお金の事を「あし」とも言ったらしく、
「お金が出ない」という縁起物であったそうだ。
本堂左側にある複写の掛け軸(写真だそうです)
「ここが変だよ日本人」
「オフレコ」
などテレビ番組で取り上げられたそうです。
2014年永国寺に再び訪れてみました。
永国寺。
永国寺本堂。
久々に来ましたが、耐震性に問題ありと判定を受けたようで
建て直しすることになったそうです。
いつもの複製の掛け軸は本堂内にありました。
本堂の中庭にある池。
幽霊が現れた場所ですね。
なんと亀が…
ちゃんと日本の亀ですね。
永国寺の幽霊の掛け軸の動画はこちら