住宅街に何気なくあるお地蔵様。
新富 消防地蔵である。
新富 消防地蔵尊 縁起
昭和16年(1941)2月13日の深夜、この地に在った
家具製作所から出火しました。
折からの強風に煽られ、火は7棟・170余坪(567㎡)を
焼き尽くしました。猛火の中を、逃げ遅れた女子従業員を
救出しに入った少年を含め、3名の若い命が失われました。
翌17年4月、跡地に京橋消防署新富町出張所が設立され、
地域防災の任にあたりました。
然しながら、出勤した消防隊員に負傷者が続発したり、
又「非番なのに望楼へこつこつ登る足音がする」とか
「夜中に少女がさめざめと泣く声が聞こえる」
などの噂が広まりました。
昭和28年、消防署と協議し、
町会役員・町内有志の発意と芳志により、
此処に殉難者の鎮魂と
地域の安全を祈願する(新富消防地蔵尊)が
建立されました。
以後、さしたる災害もなく、平成に入り、
京橋消防署の新富町出張所は
その任を終えましたが消防地蔵尊はそのまま存続し、
昔を知るお年寄りの他、
各種の願い事を祈願する人々の参詣も多く、
今日に至っております。
昭和17年から地蔵建立まで11年。
11年間、消防士の方々は心霊現象に
悩まされたという事でしょうか…。
このお地蔵様の前を何度も通って存在は知っていたが…
そんな云われがあったとは…。