投稿者:いけんよさん
私が以前、1年くらい前になるのですが、友人数人と
福岡県の油木ダムに幽霊を探しに行ったことがあります。
油木ダムが心霊スポットだということも知らなかったですし、
同行するのが高校時代の旧友ということもあって、
半ば同窓会のような感じで出かけたのですが、
今思えば何故あんな恐ろしいところへ出かける気になったのか、
と思ってしまいます。
油木ダムに着くまでは、みんな心霊スポット探検だとか
そんなことも忘れて思い出話にふけっていたのです。
ですが、車が油木ダムに差し掛かって数分経ったころに、
私はバックミラーのある異変に気づいたのです。
なんだかバックミラーに映っている道にもぞもぞした
気味の悪い何かが映っていたのです。
私は最初霧か何かかと思っていたのですが、
車が時速30キロで走っているにも関わらず、
何の変化もなく一向にもぞもぞと動きつづけているのです。
やがて段段と、そのもぞもぞとした何かが
大きくなってくるのがわかってきました。
私はもういいかげんに気味の悪い思いに駆られて振り向くと、
そこにはダムの方向にぴったりと寄り添うようにしてずんずんと
とても考えられないようなスピードで走ってくる小さな人影があったのです。
人影は異様に小さく、走り方も不気味です。
なんだか足だけが追いかけてきているような感じで、とても奇妙でした。
やがて車の後方5メートルくらいの所に
その影が近づいてきたかと思うと、
しきりに動いているのは足ではなく、人間が
ほふく前進するような形で追いかけてきていることがわかりました。
私はいいかげん恐ろしくなって、すぐさまダムを離れるよう言いました。
車はすぐにダムの脇道に入ったのですが、
もうその影はバックミラーにも映っていませんでした。
一行は私の異様な行動にしばらく黙っていましたが、
その数日後に同行した一人が原因不明の高熱に襲われたそうです。