投稿者:紅のプー太郎さん
知人んとこの、80歳ちょっとになる爺さんが、
太平洋戦争中に体験した話です。
昭和19年の後半になると物資が不足気味になり、
報道機関じゃ「連戦連勝!!」と景気がいい事ばかり
言ってましたけど、煙草とはゆうにおよばす、
食料品等の日用品さえ配給制になっていったんですね。
当日、小学生だった爺さん達にも
「日本も戦争に負けるんじゃないか?」と、
子供達さえ噂になっていました。
昭和20年8月9日に、長崎市に原爆が投下される2日前、
7日に寝ていると人の気配がして眼が覚めて、
見回してみると兵隊に行っていた7歳違いの兄が、
枕元に立ってました。
喜んで立ち上がろうとしましたが、金縛りにあって身動き出来ません。
ジタバタしていると、兄さんが
「明日中には長崎から離れて、出来るだけ
遠くに逃げるんだ!!」と言って消えていきました。
翌朝、起きてから両親にその事を話してみると、
少し疑いつつも「余程の事じゃないか?」とゆう事で、
会社には適当に言い訳をして休んで、
9日の早朝に電車で諌早市内の親戚の家に行ったんですね。
諌早駅に着いた途端、「長崎市に新型爆弾(原爆)が落ちた!!」
とニュースであり、行き交う人々は騒然としてました。
戦後、暫くしたら連絡があり、枕元にたっていた兄さんは、
原爆が落ちる2ヶ月前くらいに、南方の島で戦死しており、
きっと家族の危機を知らせに出てきたんでしょうね。