投稿者:マスターさん
彼女は俺に抱きついて泣きじゃくる。
あまりの疲れに頭も撫でてやれなかったのを今でも憶えています。
暫らくするとJちゃんが目を覚ます。
「あれ~みんな集ってなにやってんの~私、寝ちゃってた?てへへ」
やった!元に戻ってる!この2人が来ただけで逃げたんだ!
私は思わず自分の彼女と抱き合った!
しかし、
「3人だな・・・」
お兄さんがつぶやく。
Y夫も口を開く。
「いつのまにこんなにたくさんの動物霊に取り付かれとったんや・・・」
「Y夫、やるぞ!」
突然お兄さんがJちゃんの額に手をかざす!
「何やってんのお兄ちゃん、ナンかのおまじない?」
Jちゃんがお兄さんに笑顔で話しかける、普通である。
「Y夫、もういいんじゃねえか?Jちゃん元に戻ってるぞ!」
私がそう言うとY夫は、
「まあチョット見てな・・・」
そのまま黙ってJちゃんの後頭部に手をかざした。
「も~う2人共悪ふざけが好きなんだから、
もういいでしょ?ほら、手をどけてよ~~~」
Jちゃんがしきりに手をどけてと2人に言うが、
まったく耳を貸さないY夫とお兄さん。
「もう、止めてってば~~ああがあがあああ」
あれ???
「止めてってゆってんだろぐあがががあああ」
いる!まだJちゃんの体の中にいる!
「このまま外に出るぞ!」
お兄さんと一緒にY夫は立ち上がり、
額と後頭部に手をかざしたままJちゃんを外に連れ出していった。
朝日が昇り始めてうっすら明るくなり始めていた庭で、
お兄さんとY夫は何かお経の様な言葉を唱え始めた。
一緒に手を合わせる俺と彼女。
30分ほど経過した時、うなり声を上げていたJちゃんが
突然崩れる様に倒れこんだ!
「これで暫らくは大丈夫だろう・・・暫らくは」
すっかり夜が明けていた。
Y夫とお兄さんは、Jちゃんを車に乗せて彼女の家に向かった。
後日Y夫に教えてもらったのだが、あの時Jちゃんには
生霊1人(彼女に告白して振られた男)と
女の霊(これが私を襲ってきたらしい)
彼女の体目当ての霊(彼女は見知らぬ男に犯される夢をよく見ていたそうです)
そして動物霊が無数に取り付いていたそうだ。
いわゆる取り付かれやすい体質で、特に酔っ払うとひどいらしい!
私の彼女はそれを知っていたのだ。
それ以降、Jちゃんに会うことは無くなりました。
その日の夜、彼女の家に行って朝帰りした事情を
彼女の母親に話し謝ったのだが信じてもらえず、
逆に自分の娘を化け物扱いしていると勘違いされ
会わせてもらえなくなりました。
今でも思い出します、お兄さんが最後に言った言葉・・
「暫らくは大丈夫だろう・・・暫らくは」
そしてJちゃんの口から出た言葉、
「いつも邪魔しやがって・・・」
今回投稿したこの話は作り話ではありません。
十数年前、本当に起きた事実です。
あの日以来、仏壇に手を合わせる事を日課にしています。
だからでしょうか?今のところ何とか生きています。
にしてもじいちゃん、あんたいったい何したんだよう。