投稿者:匿名希望さん
全くオチのない話で恐縮ですが、投稿させていただきます。
その悪夢は、全てがモノクロの背景だった。
大雨の中で、見慣れない部落の町並みを歩いていた私。
ふと前方を見ると、古びた一軒家の軒下に、
鮮やかな蛍光イエローのパーカーを着用した、首吊り遺体と遭遇した。
それは全てがモノクロである世界で、
自身の存在を強くアピールするように、
風に煽られて静かにぶらんぶらん揺られていた。
しかし夢の中の私は、その様子をわりと冷静に見ていた。
そして例の軒下に通り掛かった時、私は違和感に気がついた。
その違和感とは・・・
【首吊り遺体なのに私を見下ろしている!】
それも覗き込むように、である。
通常首吊り遺体は死後、重力の関係で首が重い体に引っ張られて、
天を仰ぎ見る形となる。
しかしその首吊り遺体は、まるで生きているかの如く、
地上にいる私を覗き込むように見下ろしているのだ・・・
さらに怪異は起きた。その首吊り遺体、
目許はフードを被っているためよく見えないが、
口許がニヤリと笑ったのである。
私は驚きのあまり、暫くその場で硬直していたが
尚も怪異は続く・・・
相変わらず風に煽られて静かに揺れている遺体の、
だらんりと垂れ下がった右手が次第に私の方を向き始めたのだ。
そしてその右手は次第にゆっくりと私の体に接近しようとしてくる。
そこで私の恐怖はピークに達し、大慌てでその場を走り去った。
と、ここで眼が醒めました。