投稿者:紅のプー太郎さん
近くの港で魚釣りをやってて、親しくなった男性(初老)から
聞いた話です。
20代前半に母方の爺さんが亡くなり、
海での魚釣りが趣味だったそうで、
身内にやってる人が居なくて、形見分けの際、
豪華な装飾を施されたイシダイ用の竿と、あと数本の竿を貰いました。
早くイシダイ用の竿を使いたかったのですが、
勿体なくで中々出来ないでいました。
ある日、やっと決心が付いて無人島に1人で持ってくと、
潮(海水)の流れ具合がイマイチで釣れません。
昼少し前くらいに、後ろから声をかけられ振り返ると、
70歳くらいの老人が立っており、
随分と昔の釣り人のスタイルだったんですね。
世間話をしていると「ここは暫くすると、いい流れ方になるから、
そうなったらアソコら辺に仕掛けを入れなさい」と
アドバイスされ、1時間もするとそうゆう流れ方になりました。
後はアドバイス通りに、仕掛けを入れる度に
中大型が釣れ上がり、しかもそんなに力を入れなくても、
竿の反発力だけで魚が浮き上がってくるんですね。
お礼を言おうと、小さな無人島を一周しましたけど誰も居ませんし、
渡し船が来た様子もありませんでした。
帰りの時間になり、渡し船のオヤジに聞いても
「今日はココに来たのはオタクだけだよ」と言われたんですね。
よく考えてみると、アドバイスしてくれた老人には色が無くて、
白黒テレビの中の人みたいだったんです。
後日、ある寺の住職に事の成り行きを相談し
「お焚き上げした方が良かろう」とゆう話になり、
数日後に立ち会いのもとに、お焚き上げをやりました。
名人級の職人に特注で作らせた高価な竿だったらしく、
勿体なかった気がしないでもないですけど、まぁ~しょうがないですかねぇ?