投稿者:ひろくん@熊本さん
熊本県のとある場所に廃墟となったS病院があります。
高校卒業して、友人達が車を持つようになってから
夏の夜の定番「ミステリースポットツアー」
と言っていろんな場所を徘徊していました。
そのときの話です。
私が高校時代(今から10年前)から”幽霊が出る”と噂がありました。
いきなり深夜に行くのは怖いので、友達を無理矢理引っ張って、
両親の名車”アルト (66万円から)”で行きました。 到着してみると、廃墟になって数年は経つのでしょう、
いろんなところが破損していました。
壁には定番のスプレーで落書き。
元気なあんちゃん&おねえちゃんの肝試し場所になっているようでした。
お昼ということで、あまり怖くはありませんでした。 私のミステリースポットでいつもやっている
”何か写るかな?写真撮影”を行い、
買ってすぐの私の愛機MARTIN D-35(アコースティックギター)を
歩きながら弾いたりと、バカなことをやっていました。
そのときに何事もなかったので、それから数日後、
いつもの地元の仲間総勢7名車2台で
深夜12時過ぎに行きました。
さすがに深夜ともなると、かなり雰囲気がちがいます。 玄関前の広場に車を停めると、先客がいたようで
玄関正面をヘッドライトで照らしている車がありました。
「おおっ、先客がいるよ。」 とみんなで言いました。
建物に入ろうとすると、私の乗っていた車に
懐中電灯が入っていることに気づき、
私と車の持ち主が 「ちょっと取ってくる」と言って車に戻りました。
そのときですが、私の車の持ち主(S君)と、
後ろに別の友達が一緒にいるものだと思っていました。
車に到着して、リアハッチから車内の懐中電灯をS君が捜している間、
私は一緒に来たと思っている友達に
「で、さぁ」と声をかけました。
でも、だれもいない。
すごい存在感があったんですけど、誰もいないんですよ。
S君に「一緒にだれか来なかった?」と聞くと、
彼も3人で来たと思っているのでしょう、
「あれっ?」と周囲を見回しましたが誰もいません。
そして、足音もしません。
結局懐中電灯は電池切れで使用できないため、
諦めて仲間の待つ場所に行きました。
「懐中電灯あった?」
「あったけど、電池が切れてた。」 といった会話の脇で、一緒に行ったと思っていた
友達(雰囲気だけでも誰かわかりますよね)に
「一緒に行かなかった?」
と聞くと、「行かなかったよ。」との返事。
気を取り直して廃墟内の探検です。 正面ロビーから右手方向に行こうとしていると、
突然反対側から人影が。
「あっ、よかった、誰かいたよ。
怖いのでご一緒させてもらっていいですか?」
と女性1名男性2名の肝試しグループがいました。
玄関正面をヘッドライトで照らしている車の持ち主みたいです。
みんなで一緒に行動しました。
玄関正面からまっすぐいったところに幾つかの部屋があります。
事務所とかなんでしょう。
右側は上り階段があり、上り階段のわきに目立たないように
下に降りる階段のドアがありました。
この下には霊安室があると噂では聞いていたため、行きませんでした。
階段を通り過ぎると、 その先には食堂と大お風呂があります。
植木温泉を引いているのでしょう。かなりおおきなお風呂場でした。 そこにはいったときのことです。
たくさんの黒い影がさーっと隣の部屋に移動しました。
「おっ、向こうへ行ったぞ。」 と、幽霊を追い払う系の友達K君が言います。
みんなでつぎのお風呂場へ向かっているとき、
私はふとその横にある家族風呂程度の広さの
お風呂場に入っていきました。
足下の床はボロボロで、注意しながら更衣室を通り、
浴室の開き戸を開けました。
そこには、黒い影がゆらゆらと3体、立っています。
しかも、私の方へ近づいてきます。
すごく怖くなって、みんなのいる場所に走っていきました。
「あそこの家族風呂(?)にいたよ。」 と私が言うと、
みんなの足が一時止まったのですが、
K君の「いっぱいいるじゃん。」の一言で再開。
ずっと奥に行くと壁がタイルの部屋があります。
たぶん手術室です。
けっこう広い部屋がいくつかあり、手術室と準備室(?)でしょう。
テーブルの上にはボロボロのはさみとかメスとか
いろんなものが置かれていました。
私はそのタイル貼りの部屋に入ったとたん、
ものすごい圧迫感を感じました。
呼吸するのが苦しい、という感じです。 深呼吸しても1/10も空気が肺に入らない、
と言った方がわかるかもしれません。
ものすごい胸苦しさをおぼえて、すぐに部屋の外に出ました。
友達達はぐるっと見て回ると外に出てきて、次は2階。
そこで女性1名男性2名のグループは別れて帰っていきました。
2階ですが、どうもだれかに見られている感じは払拭できません。
たぶん、誰かが見ているのでしょう。 足下には木材系のゴミがあります。
細かなゴミなので、上を人が歩くとパリパリと音がします。
我々のグループしかいないはずですが、
5mほど後ろで足音がします。
そして、そのゴミの上を歩くと パリパリ と小さな音がします。
「足音、聞こえるよ..ね?」 と私が言うと、
みんなは顔を見合わせてうなずきます。
仲間のうち一人が突然、うわ~と大声を上げて
足音の聞こえる方へ走っていきました。
そして、急いで戻ってきます。
「誰もいなかった。」と言いました。
2階をずっと行くと、二棟の病棟があります。
ここでは、一部屋づつドアを開けて中を見ていきました。
ドアを開けていた友達が、ある部屋の前で
ドアノブを回してすぐ「うわぁっ」 と言いました。
そして、 「今誰か、中でドアを押しているような感覚だった。」と言います。
みんなドアの前に集まり、
その友達は思いっきりドアを開けました。
すると、おじいさんの霊がふわふわと部屋の真ん中を漂い、
窓の外へと出て行きました。
また、ある部屋では、押入の中に中年男性の霊が
うずくまってぶつぶつ言っていました。
通路の窓で、やけにきれいなガラスがあるのに気がつきました。
他のガラスは雲ってたり水垢がついてたりするのに、
そのガラスだけはいつも磨いているかのようにきれいです。
いやな予感がしましたが、どうしても見ずにはいられません。
窓ガラスの横に私、そして私の横には友達が立って歩いています。 ガラスには、私の横に友達、
そしてその向こうに白い服をきた青年が並んでいます。
病院で、入院患者が着るあの白い服です。
すーっとならんで動いていきます。
顔はじっと前を見たままです。
目が合わないようにと、私はすぐにガラスから前方へ視線を移しました。
病棟の1階の一番奥の病棟で、ものすごい寒気がします。
友達の2・3人は同じように感じているのでしょう、
”どうする?”という顔で周囲を見ていました。
追い払う系の友達、北野くんが「行くよ。」と言って
ドアを開けると、なにかしらとても気持ちが悪い。
そして、その部屋の中央には、
にたにた笑った若い女性の霊が立ってます。
目は赤く、そしてうつろでした。
Kくんが部屋に入っても逃げません。
「おー!」とKくんが大きな声を出すと、
やっとその女性の霊は天井を抜けて上に行きました。
Kくんは建物の外にある非常階段を駆け上がり、
上の部屋に飛び込みました。
すると、そこにさっきの女性の霊がいました。
また大きな声を出すと、建物の外に出ていきました。
「すごく怖かった。」とKくんは言います。
普通は彼を見たら逃げて行くそうです。
でも、この女性の霊は違いました。
「気が狂っているんだよ。それで、どこにも行けずにいるんだよ。」
建物を一周して、帰ろうかと外にでました。
そして、車に向かって居歩き出すと、
突然トタン屋根をヒョウが叩くような、
大勢の人間の足を踏み荒らすような音が聞こえます。
耳鳴りのように、建物中から鳴り響きます。
そして、窓からはいくつもの顔が。
「帰るのを邪魔してるんだよ。」とKくんは言って、
建物の入り口へ走っていきました。
すると、たくさんの黒い人影は さーっと逃げますが、
彼がいなくなるとまたもとに戻ってきます。
我々は逃げるように帰りました。
その後、どうも気分が悪い私はKくんに見てもらうと、
たくさんの霊を引きつれているということ。
すぐに除霊をお願いしました。
1時間はかかったと思います。
ずいぶん気分が良くなりました。
彼の話では、あの病院で死亡したひとではなく、
他の場所で死亡した女性と中年男性等の2・3人の霊が住みついたそうです。
そして、その霊に引きつけられるように200以上の霊が来ていたようです。
私には、そのなかの女性の霊がついてきていたので、
取り除くのにかなり時間がかかったということです。
後日談ですが、 足音に向かって走っていった友達は、
翌日から原因不明の高熱で3日間寝込んでいました。
私はと言うと、その周辺を走るだけで気分が悪くなります。
最近はずいぶんといいんですが、二度と行きたくはありません。
ちなみに、現在は柵があり入れないそうです。 また、この話を職場のひとにすると、
不思議な体験をした友達がいるとのことです。
友達(男)が数名で、この廃墟となった病院へ行きました。 まあ一通り回って、「怖え~な。」と言いなが
ら帰ったと言うことです。
そのメンバーのなかで、帰ってから「持ってきた。」と言って
カルテを挟むクリップ(紙がはさんであった)
を見せたそうです。
すると、突然電話が鳴りました。
廃病院からクリップを持って帰った友達が電話を取ったんですが、
受話器を耳に当て るとびっくりして切ったそうです。
そして、 「今の電話なんだけど、
『あなたがさきほど病院で持って帰ったものを返して下さい。』
と言ってた。」 と言いました。
クリップを返してないみたいなんですが、
今でも彼は元気です。