投稿者:明日香さん
ある大雨の時の話です。
悪友と2人で遊びに行った帰り、思わぬ悪天候に会いました。
川が氾濫して、いつも通る農道はすっかり、水溜りの中…。
「沈み橋」とよばれる橋の上もごうごうと水が流れるのに、
1時間もかからなかったように思います。
仕方がないので、歩道無しの車道を自転車で行くことにしました。
暴風雨や雷が荒れ狂い、いつもは明るい時間なのに真っ暗です。
自転車に乗っては進めないほど風が強く、
降りて押しても強風のあまり立っているのが精一杯…。
友人「風、車道の方むいてるよ~、あっち側渡ろう!!」
しかし、どちらの脇で歩いていても、
道の真ん中に押しやるように、風が吹くのです。
通り過ぎる車は先を急いで暴走してるので、
ふらつくだけでもかなり危険です。
街灯も消えていて…闇に慣れてもすぐに、
車の光で見えにくくなってしまう…。
…何となく嫌な雰囲気の道にさしかかりました…。
それまで、雨が口に入っても大声で
喋りつづけていた友人が一言も口をききません。
やってきた車のライトが闇に看板だけを照らしました。
「交通事故死亡現場」と朱色で書かれた…白看板を……。
その時、猛烈な突風が押し寄せてきて
私は反対車線よりも向こうまで飛ばされました。
友人は一瞬、私の命が終わったかと思ったそうです。
看板を過ぎると、人が轢かれるのを願うかのように、
道の中心へと吹いていた風は、
不思議なくらい収まりました。
普通の大雨で、安心して帰れたのを覚えています。
友人は「あそこだけ、空間が違う!異常地帯だった。」と言っていました。
翌朝、新聞に『例の道での交通事故』が載っていました。
前の看板から10mも離れず二つ目の看板が立っていました。
車の衝突だそうです。
何か、あそこで招いている者がいたのでしょうか…