マネキンの首

マネキンの首 怖い話
マネキンの首

マネキンの首

投稿者:くにやんさん

先日、犬鳴峠で取り憑かれた話を投稿しました。

それからというもの何度となく普通では考えられないことが起きました。

私はもう二度と犬鳴峠に行くまいと固く思っていました。

これは信じてもらえないかも知れません。
ある日私は福岡から北九州へ行く用事があり、
午後4時くらいでしょうか、車で北九州に向かっていました。
福岡の方はご存じでしょうが、福岡市からひとたび
国道3号線に入るとその後は北九州市まで

一度も曲がることはありません。(ここをよく覚えておいて下さい)
私は博多駅方面から3号線に入り、
そのまま香椎を経て北九州に向かっていました。

夕方でしたので道が込み、5時くらいにやっと香椎あたりでした。

そのまままっすぐ九州産業大学の横を通り北九州に向かっていました。

そのままなんとなく車を走らせていました。

どんどん薄暗くなり6時頃にはもう夜のように暗くなっていました。
もう半分くらいかなと思っていたら、なんと坂道と言うか、
上り坂の山道を走っているのです。

気が付けば明かりもない、車も走っていない山の中なのです。
「え?ここどこ?」と思って、仕方なく車を走らせていると
見覚えがある道なんです。

そうです。

車は一度もハンドルを切っていないのに犬鳴峠に向かっていました・・・
犬鳴峠に行くには3号線から何度も曲がって
違う方向に走らなければ無理なんです。

私にも理解が出来ませんでした。

そして5年ほど前でしょうか、あれほど行くまいと固く決めていたのになんとなく

その場の雰囲気で犬鳴峠に行くはめになりました。
同行者は友人1名。まだ7時を回ったばかりでしたので
峠に行っても大丈夫かな?

という油断もありました。
峠に付いたのは8時前でした。
福岡側はバリケードがあったので、

新犬鳴トンネルを抜けて北九州側から旧トンネルへ入りました。

トンネルの入口に着くと時間が早いのか、1台も車が無いのです。
「早すぎたね」と友達は笑いましたが、
ともかく早く帰ろうと車を走らせました。

旧トンネルは北九州側はでこぼこした岩肌になってますが、

福岡側はツルンとしたコンクリートになってます。

岩肌部分を抜けたころ、視界に何か白いものが見えました。

なんとトンネルの上部にマネキンの首があったのです。

トンネルを抜けて降りながら友達に「見た?」と聞くと
「うん。マネキンだよね。でもさ、あの壁って(つるんとした)
コンクリだからどうやって置いたんだろう?」
と言うのです。
なるほどあんなところに置くことは難しいのです。

彼は「ねえ、もう一度見に行こうよ。」とせがむのです。
私も霊というよりもマネキンと思ってましたので
「そうだね。確認しようか。」

と再度同じルートで旧トンネルに戻りました。
トンネルを進み「そろそろかな?」とマネキンがあったところまで近付くと
「あれ?」無いのです。
どこにもその首が。
旧トンネルを抜け、坂道を降りながら、
「見間違いだったのかな?」と友人に聞くと、
「いや!絶対にあったよ!」と言うのです。
彼はしばらく考え込んで、
「そうだ!上ばかり見てたよ。下に落ちたんだ!」

そうか!と私も納得しました。

続けて彼が「なんかさ、このままじゃ気持ち悪いからもう一度見に行こうよ。」

と再度私にせがむのです。

まだ時間は8時を15分ほど過ぎたばかり。

じゃもう一度だけ、と3回目のトンネルに戻りました。

トンネル内に入り再びその場所近付きました。

私たちは車のスピードを落とし、下の方を注意深く見ながら走りました。
でも下にも無いのです。その瞬間彼が
「ヒエッ!」と凄い大声で悲鳴をあげたのです。

私はびっくりして急ブレーキを踏み、彼の方を見ました。

彼の視線の先にはこちらをじっと見る4つもの首がありました。

私は急発進でトンネルを出ました。
やっぱりここには来ちゃいけなかったんだ・・・
それがマネキンの首なのか、

果たして・・・それは今となってはわかりません。
でもあの眼は、こちらをじっと見るあの眼は・・・・
その後友人とは会ってません。


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