投稿者:マルチャンさん
漁師をやっていると色んなことに遭遇します。
一番印象に残っているのは水死体を見つけたときのことでしょうか…
たいていの水死体は水をすってパンパンに腫れ上がって生きている時の様子もわかりません。
死因まではわかりませんが、俺が引き上げたのは同じ漁師の人の遺体ともう一人。
その日は穏やかな海でしたが、網をあげていると何かが引っかかっていました。
「あ、またどざえもんだ(水死体)…」
見た感じ男性の遺体でした。
すぐに船の同僚と一緒に引き上げをはじめました。
遺体はパンパンに膨れ上がり、なかなか引きあがりません。
「ほら、おいさん、今から引き上げるから!」
遺体にそう語りかけた瞬間、遺体がさらに重くなった気がして作業をいったん中断しました。
中断して網を離すと遺体の向きが変わり、いままでうつぶせだったのが仰向けになりました。
なんと遺体は女性でした。どうも膨れ上がっていてはっきりわからなかったのです。
「なんだ、お姉さんやったんだ!ごめんね!」
そういうと今度はすんなり持ちあがり、船に引き上げました。
あとで聞いた話ですが、女性はどうも日本人ではなかったようです。
でも、おじさんって呼ばれたのが頭にきちゃったんでしょうね。