ドッペルゲンガー?

怖い話

投稿者:通行人さん

福岡市からの仕事帰り。
ちょうど帰宅ラッシュと鉢合う時間帯で、
混雑する国道3号線を避け、やや遠回りに県道21号線を通った時のことです。
トンネルに入ってから、音声が途切れ、ノイズが流れるラジオ。
切ろうとした時、わずかに。
しかし、確かに。
・・ポチャン!
水が滴るような音が聴こえました。
トンネルの天井から山水が染み出して、車体に当たる事がありますので、
最初はその音が聴こえたのだろうと思っていましたが…
トンネルの出口が近づくにつれ、次第に大きくなる水の音。
それがラジオから聴こえてくるのにそれほど暇はかかりませんでしたが、
息が詰まって仕方なく、早くトンネルから抜け出たい思いから、
ややスピードを出し過ぎたかも知れません。
トンネルを出て程なく。
走行車線の真ん中で、ギョッとした様子で立ち止まっている人が居るのが判りました。
踏み込むブレーキ。
挙がる悲鳴。
何とか交わして、30m程過ぎた脇に車を停め、
様子を見に走って現場を行きましたが、そこに人影は無く。
ブレーキ痕からこの辺りのハズ…と、不思議に思いながら、
ふと新トンネルを見ると、自分に向かって突っ込んでくる車が一台。
動かぬ身体。
思わず叫んだ時、車を運転してる人を見て、更なる驚きがありました。
俺か!?
激しいブレーキ音が聴こえると同時に、ギリギリで交わした車。
と同時に、フッとそれは消え…
今でも思う。
もし、始めにトンネルを出た時にその謎の人物を交わせていなかったら、
自分はどうなっていたのだろう…と。

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