投稿者:麻呂さん
私は仕事柄、病院の先生方と良く話をします。
でも昼間は患者さんがいて忙しいのでドクターとゆっくり話せるのは
そのドクターが当直(夜勤)で朝までいる日です。
その日もターゲットの先生が当直の為、
有名な寿司屋で特上握りを当直の先生の人数分
握ってもらい大吟醸酒を一本ぶらさげて行きました。
その晩は珍しく急患や救急車等は無く当直のドクターや看護婦、
技師さんが集まり土産の寿司をつまみながら
吟醸酒を空けわいわい騒いでいました。
すると年配の放射線科ドクター(医大の助教授)が
ポツリとしゃべりました。
「僕は現実主義者でオカルトは信じないんだが昨日変な事があった」
話を要約するとその晩そのドクターは
医学会の原稿を書くため放射線科検査室にこもっていました。
その病院は省エネの為、夜になると外来の冷房は止めます。
しかし放射線科検査室はレントゲンの機械を
管理するホストコンピュータを守る為
絶えずクーラーが入っており、
真夏の夜はそこで仕事をするのが常でした。
その先生も深夜まで机に向かっていると
天井の方で人の気配を感じました。
ふと目をやると天井から二本の足がニョキーっとでていました。
目の錯覚かとジーっと見ていると 手術衣を着た女がするすると天井から出てきて、
足もとの床に吸い込まれていったそうです。
このドクターはテレビにもたまに出る有名な先生ですが
デタラメを言う先生ではありません。
「こんなことってあるんだね・・」と感慨深げに言いました。
しばらくして脳神経外科の若手ドクターが言いました。
「昨日は放射線科の上の階のオペルーム(手術室)で
確かに女の患者のオペをしましたが
手遅れですぐにステりました(ステルベン=死亡の略)」
古手の看護婦がつぶやきました。
「検査室の下って・・モルグ(死体安置所)でしたよね・・・」
現役の医者が話す心霊体験って稲川さんより数段こわいですね・・・