投稿者:裕之様の野望さん
今回は私が飼っていたペットのお話を投稿します。
私が小学校5年生の頃、二匹の親子猫を飼っていました。
親猫は最近の猫にしては珍しく、
キャットフードを与えなくても自分で狩ってきた鳥などを
餌にしているような野生の猫で、たまにネズミや
モグラなどを捕まえては餌にして捕まえてきた餌を
子猫に分け与えていました。
飼い主の私達も安心してみていられました。
ところが、子猫がしばらくして大きくなると
今までの子猫に対する態度ががらりと変わってしまいました。
最初、親猫が野生の猫で自分も厳しい自然の中で生きてきたのだから、
子猫にもそうやって自然の厳しさを教えると言う、
野生の動物が持っている生きていくうえでの
厳しさだろうと思っていたのですが、子猫はそれがわからず、
前と同じように親猫に接していました。
私達もそれを見兼ねて親猫が子猫に手を出す時は
それをやめるように促していました。
今から考えるとそれは間違っていたのではと考えさせられます。
数年が過ぎて親猫が姿を消し、子猫一匹となりました。
以前まで一緒だった二匹が急に一匹となり
我が家の庭も急にさびしく感じられるようになっていきました。
その頃私の家の庭には見知らぬ野良猫が
出入りするようになっていていました。
子猫は気弱な猫だったので、その野良猫が
子猫にちょっかいを出して引っかいたりして
傷を負わせるようになっていました。
最初はそれは仕方が無いし、動物の世界だからと
思っていた私でしたが子猫の傷が増え、
以前より食欲が無くなった子猫を見兼ねて私はパチンコを作り、
それで野良猫を追い出すようにしていました。
そしてその年の夏休み、私達家族はみんなで
旅行へでも行こうということになりました。
子猫に私達が帰ってくるまで十分であるようにと
餌をたくさん置いて出かけました。
数日後家に帰ってくると子猫の姿が無く、
どこかへ行っちゃったかなと思っていたのですが、
その2、3日後発見されました。
それも生きてではなく、既に死んでしまって…。
発見した時はもっと早く旅行から帰ってきていれば
子猫は死なずに済んだのかもしれない、
という後悔でそのときはいっぱいでしたが、
死ぬときは傍にいてあげられなかったけれど、
せめて庭に子猫のお墓を立てたあげようと思って
庭に穴を掘って手厚く葬ってあげました。
子猫が死んでしまってからの2、3日後は
子猫の鳴き声が耳元から離れませんでした。
そして小学校6年の頃の夏休み、
子猫が死んでしまってからのちょうど1年後、
命日だからと御線香を立ててあげようとお墓のところに行ってみると、
ちょうど仔猫を埋めたあたりに綺麗な花が咲いていました。
私はそれが子猫の生まれ変わりだと思い、
その場で思わず涙を流してしまいました。
それからというもの、現在でも仔猫が死んだちょうどその日になると
何度も同じ場所でその同じ綺麗な花が咲くようになりました。
これはきっと偶然ではなく、仔猫が
私達に会いに来たのだろうと今でも思っています。