3人は見た!

怖い話

3人は見た!

投稿者:ヒガポンさん


これは、私が小学校3年のときの夏休みでした。
従兄弟の双子と私と父とで、
鹿児島のとあるキャンプ場に行ったときのことです。

さんざん、海で遊んだり、プールではしゃいだりしたちびっこ3人は、

夜ご飯を食べるとはやばやとテントの中で眠りにつきました。
すると、どういうわけか、夜中の2時ちょうどに、
3人揃って目を覚ましたんです。

もちろん、父はイビキをかいて寝ていました。
双子の弟のほうが、「トイレに行きたい」といいだし、
一人じゃ危ないからということで、

3人でトイレに向かうことになったんです。

トイレまではそのテントから約100メートルは離れていたと思います。
そして、トイレまで、雑木林を通って、
坂を下っていかなければなりません。
しかも、山の斜面にあるキャンプ場なので、
向かって左側は、結構急な雑木林、

つまり、山の斜面だったんです。
そこを3人で、下っていくと、途中、その斜面を見下ろしている
くたびれたおじさんがいたんです。
夜中の2時にそんなところで、一人佇むおじさんがいるのは、
どう見ても不自然ですが、

そのときはみんな寝ぼけ眼というのもあり、変に感じなかったのです。
数少ない街灯で、ぼんやりした顔が照らし出されていましたが、
とても悲しそうでした。

そのおじさんの後ろを3人とも通りすぎて、5メートルくらい歩いた瞬間、

ものすごい突風が3人を吹きつけました。

そして、何気にそのおじさんのほうを振り返ったのです…。

すると!おじさんがいないのです!影も形も…。

「いない!さっきのおじさんが!」

最初に声を上げたのは、私でした。
すると、私より年下の双子は、あわてまくってみんなで、
テントのところまで猛ダッシュで帰りました。
双子の弟は、テントの裏で用を足し、
すぐテントの中に避難しました。

それからしばらくは寝れなかったのですが、やはり子供。

知らないうちに眠りについてしまいました。

あのおじさんは、何だったんだろう…。
あれから10年以上たちましたが、
今でもその従兄弟と会うとその話になります。


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