ブギーマナー

ブギーマナー 怖い話

ブギーマナー

投稿者:ひまわり三十郎さん


どうも、「高架下」を投稿した者です。

調子に乗って2話目を投稿します。
笑劇の実話です。
怖くないかもしれません。

平成六年の夏だったと思います

某県庁地下大会議室にて中堅農業者大会というイベントが開催されました。

当日は凄いお客さんの数で広い地下大会議室は満席でした。
僕は開催時間を間違えてしまい、会議室に入ったのは開催から
二時間ほどたった頃でとても盛り上がっていました。

どこかに席は空いてないか、ひな壇の上から会場を見渡しました。
どこを見ても人、人、人で席なんて空いてません。

ところが最前列のど真ん中だけポッカリと空いているのです。
「うーん昼寝したいのに最前列とは運がない」
とか思いながら仕方なくその席に座りました。

壇上の講師の先生の真正面。

案外死角になっていて座って何分もしないうち僕はウトウト

寝入りばな、後ろのおっさんが僕のパイプ椅子に足を乗せてきました。
「うーむ。」とか言ってけだるそうに足を乗せてきたんですけど
足が僕の尻に当たってるんです。

そのときなんと表現してよいのか解らないくらい背筋がぞぞぞとしたのです。
「何てマナーの悪い奴だ!!」
僕はだんだん血圧が上がってきました。

咳払いを二、三回。
「んんっ!!」
・・退けてくれない・・
「んーん!」
・・まだだめ・・
「おほん!」
おっさんめ退けるどころか足の指をモゾモゾっと
動かしやがる始末、なめてんのか!?
怒りが頂点に達した僕は、振り向きざまに足を払いのけて
ガンくれてやろうと試みたのです。
なんといっても満員御礼周囲の目もあります
一発でかっこよく決めねばなりません。
1・・2・・3・・そりゃ!
「おいこらおっさん!!」・・・てあれ?

僕の後ろ二列それと後ろ左右も二列、だれも座ってないのです。

ぽっかり空席なのです!!!
空振りした勢いで席を立ち上がってしまった僕は
3列目の兄ちゃんと目があってしまい。

その兄ちゃんは、訳も分からずのけぞってました。

満員御礼のお客さんの冷ややかな視線。

僕の尻にはまだおっさんのなま暖かい足の感触が残ってました。

 

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