投稿者:上間亜貴さん
1年と1ヶ月前の事です。
私達は、とある事情で遅くまで学校に残っていました。
7時になり、教室のテレビをつけたので
大半の人はそれに視線を集中していました。
ですが、ひとり1番後ろの席に座っていた友人(Oさん)が
顔を上げて私を呼んでこう言ったんです。
「今、私の後ろ誰か通った?」と。
私はOさんにずっと視線を向けており、
誰も通っていないことを確認しているので
「誰も通ってないよ」と答えました。
するとOさんは「誰か通ったよ。さっき、誰か通った」
と震える声で言って泣き出すのです。
どうしよう、と思いとにかく彼女をなだめました。
気休めにと思い、釈迦が彫られた首飾りを握らせましたが、
それの止めがね部分が外れ落ちてしまったのです。
止め金は見事に曲がっていました。
しばらくすると、彼女は落ちつくどころか座ったまま
前後にふらふらと揺れ始めました。
目は遠くに行ってしまい、ぶつぶつと何かを呟いているのです。
聞こえづらく、顔近づけると「寒い、寒い」と言っているのです。
やばいと思った私は必死に彼女の名前を呼びつづけました。
ふっと目に光が戻った彼女は
「あれ?なんで私、泣いてるの?」ときょとんとしました。
彼女に記憶はなく、自分は寝ていただけだというのです。
その時の夢が、真っ暗な闇を歩いていて突如私の声が聞こえたそうです。
その瞬間、闇に光が差し目が覚めたそうです。
その闇が心地よかったとか。
「寒い?」と訊くと「ううん、全然」と。
あの時呼び戻していなかったら、彼女はどこまで闇を歩いていたでしょうか。
ひょっとしたら戻ってこなかったかも・・・。
この学校ではまだこういう経験があります。
それはまた・・・・。