投稿者:シュウさん
この話は、僕が小学校2年生の時に祖父から聞いた話。
親戚にA(名前を聞いていないのでAとする)という男がいた。
このAという男、牛を育てて売る仕事をしていた。
その牛達の中でも頭の良い牛がいたらしい。
Aが祖父の家で飲み食いして、酔いつぶれて寝ると、
牛はAを乗せて何キロも先のAの家に帰っていたらしい。
ある時祖父が昼寝していると、祀られている大神が夢に現れ、
「あの牛は、もうすぐ殺されよう。絶対に殺してはならぬ。
あの牛を助けるのだ。あの牛は我らの使いなるぞ。」
祖父は急いで飛び起き、電話で夢の話をAに告げました。
しかしAは信じず、「売る」の一点張りでした。
祖父は「金ならいくらでも出すから、あの牛をワシに譲ってくれ!」と言って、
その足で銀行に行き、貯金を全部引き出し、Aの家に行きました。
その金額は教えてくれませんでしたが、牛を5~6頭買える金額だったらしい。
祖父がAの家に着いた時は既に遅く、牛は屠殺業者に売られた後でした。
Aは老人にそんな大金があるわけが無いと、売ってしまったらしい。
次の日、Aは自分の家の縁側で友人と話をしている時、
高さ数十センチの縁側から転落して亡くなりました。
打ち所が悪かったのかは不明ですが、
祖父は「神の怒りに触れた。」って言ってました。