投稿者:左夜さん
これは私の祖父が亡くなった時の話です。
祖父はリンパ線を悪くして長い間入院していましたが
治療の甲斐もなくこの世を去りました。
亡くなる直前まで大好きなカステラを食べたいと言いながら
その願いは叶いませんでした。
お通夜の時です。
私は無性にカステラが食べたくなり、しかも生前祖父が
「痛い」と言っていた右首が痛いのです。
我慢できないくらい。
そして無性にカステラが食べたい。
祖父が亡くなったショックで食事など
摂れる状態ではないのにもかかわらずカステラだけが食べたい。
しかし今は深夜。
田舎なのでコンビ二もなく朝まで我慢する事にしました。
朝。お店が開くと同時にカステラを買い、
食べたところそれまで我慢できなかった右首の痛みが
嘘の様に引いていったのです。
でもそのカステラの不味いことといったら・・・
スポンジを食べているみたいで全く味がしないのです。
「きっとおじいちゃんだよ。カステラ大好きだったもの。
お前の体を借りてまで食べたかったんだよ」
母の言葉を聞いて涙が止まりませんでした。
怖いと言うよりもなぜか心地よい体験でした。