投稿者:匿名希望さん
これは、私が中学生のときの体験です。
私は、軟式テニス部に所属しており、
当時そのクラブはかなり強豪で、全国でもかなり有名な中学でした。
それは、私が2年生のときの夏休みの合宿で、
どこだったか記憶が定かではありませんが、
確か信州の方に行ったときのことです。
宿泊は、国民宿舎(当時はユースホステルと呼ばれていました。)で、
かなり古い5階建ての建物でした。
1週間の合宿の初日より猛練習で、一同くたくただったんですが、
わたしは、その合宿が楽しみで楽しみでしょうがなかったので、
到底消灯時間に寝る気にはなれませんでした。
夕食が終わり、10時消灯までのつかの間の時間に
私はこっそりとビール(中学生のくせに)を購入しておきました。
10時までは、顧問の先生の目もあるので、
おとなしく部屋でテレビを見ていました。
そして、いよいよ10時、行動開始です。
行動開始といってもそんなに悪い事をするわけではなく、
ただ先輩の部屋に行き一緒に酒盛りをするだけのことなのですが、
中学生の私にとっては、かなりの悪事に思え
心臓が口から出てきそうなくらいどきどきしていました。
こっそり、部屋のカギをあけ、廊下にでました。
10時とはいえ、かなり宿舎は静かで少しあせりましたが、
勇気を振り絞り、エレベーターへと向かいました。
私の部屋は、2階で、これからうかがう予定の先輩の部屋は4階でした。
廊下の突き当たりにエレベーターが見えてきました。
今から考えると少し不思議なんですが、
エレベーターは2階で私を待っているかのように扉を大きくあけていました。
私は、そのときも不思議に思うことなく、
むしろラッキーという感じで意気揚揚と乗り込みました。
4階のボタンを押し、エレベーターは扉を閉め動き出しました。
しかし、エレベーターは3階で止まり扉を開けました。
「あれ?」と思ったですが、夜間は各階に止まる
エレベーターもマンションなんかではよくあるし、
当時私の住んでいるマンションがそうだったので、
なにも疑わずにすぐに閉めるのボタンを押しました。
もちろん、3階からは誰も乗ってくる事はありませんでした。
そして、エレベーターは4階にたどり着き、
私は、忍者のようにそっと廊下にしのび降りました。
先輩の部屋の前にたどり着き、すぐにノックをしました。
「開いてるぞ」と中から声が聞こえ、私は、いそいで扉を開け、
「先輩、お待たせしました。飲みましょう!」と目一杯大人ぶって叫びました。
すると、先輩はしばらくこっちをみて、また冷めた顔で
「今日はやめとくは。お前部屋かえってええぞ」
というではありませんか。
わたしは、がっかりして背中を丸めながら
またエレベーターへと帰っていきました。
その時、またエレベーターは私の帰りを
待っていたかのように扉をあけていました。
そのまま、エレベーターに乗り込み3階のボタンをおしました。
エレベーターは動き出しました。
すると、また3階で停止し、扉が開きました。
もうそのときは、まったくそんな事気にもせずに、
先輩がなぜあんなに私に冷たくしたんだろうと行く事ばかり気にしていました。
もちらん、だれも、乗ってきませんし、降りる事もありませんでした。
しょうがなく、その晩は部屋にかえり、ビールを飲む事も無く寝ました。
次の日、朝食のときに私は、まっさきに先輩のところに行き、昨日は、
なぜ急に計画を中止したのかを聞きにいきました。
すると、先輩は、
「あほ!おまえ、昨日可愛い女の子連れてきてたから、
おいら遠慮したったんやんけ」と真顔でいいました。
わたしは、いままでここでお話した通り女の子など連れてません。
ということは、あのエレベーターで3階で乗り降りしたのは・・・・