フェリー(いき)

怖い話

フェリー(いき)

投稿者:雷神の眷族さん

今は昔、心霊スポット巡りをしていた頃の話。

あるフェリーに「出る」、と言ううわさがたちました。

目撃者が続けて出たので、私達も乗ってみることにしました。

事前に船名や会社名、時間帯などがどうしても調べられませんでした。
まず夜中の便だろう、適当に行ってそれっぽいやつを捜してみよう、
行きと帰りで2度チャンスがあるし、

と、かなりいいかげんな計画だったのです。

12時頃、いつものメンバーでフェリー埠頭に行きました。

「今いるやつで一番ぼろいやつにしてみよう。」

「あ、あれがいい。」

「あっちの先に出る方、まだのれるかな?」
元レディスが古ぼけた船を指したのに、霊感少女は
なぜか結構きれいな新しい方へ乗りたがりました。

「なんか感じる?」

「いや、先に出る方が早くつくでしょ?」

「おい!」

私はこの時、霊感少女がとぼけていることに気付きませんでした。

なんとなく先に出る船に乗り込みました。

結構長距離トラックは乗っているもののすいています。

売店はしまっていますし、上部甲板は明かりがついていませんでした。

私達は4人がそれぞれぶらぶらしてみることにしました。
霊感の無い私はうろついても何も解るはずは無いし
少し気分がふさいでいたので客席の外のベンチに座っていました。

霊感少女はちらっとこちらを見て客席に入って行きました。

他の二人は上部甲板探検に行った様でした。

10分と経たない内に全員客室でしーんとうつむいていることになるのですが。

1. 上部甲板探検隊員報告
灯りのついていない上部甲板に上がる階段を登り切ったところ、
黄色いヘルメットで半袖シャツ、ニッカボッカに
安全靴のおじさんが暗い甲板の隅にいた。
人がいたんだ、と心強くなって甲板に一歩踏み出したとたん
おじさんは消えてしまった。

あたりも階段から甲板の隅まで見える程明るく無い。

あわてて階段に戻って振り向くと同じ場所に同じ格好で立っているのが見えた。

階段をかけおりて客室に飛び込んだ。
2. 雷人の眷族目撃したものを語る
ベンチのちょっと離れたところに鏡がついた柱を発見した。

結構、客室まわりは人通りがあり、歩いている人が変な角度で写っている。

ぼーっとそれをながめているうち自分もそのうちの一枚に写っていることに気付いた。

ああベンチがこの角度で、と見ていると自分の座っている反対側の端にも人が座っている。

で、隣を見たけど誰もいない。

念のため辺りを見渡してベンチに座っているのが自分一人だと確認した。

もう一度鏡を見た。全身ブルーのトラッカー風の人物がこちらを見た。

客室のドアをあけるのもそこそこに逃げ込んだ。

私が客室に飛び込んで、霊感少女に出た、見た、と訴えているところに

上部甲板探検隊の二人が飛び込んで来て出た、見た、と興奮していました。

霊感少女はけろっと言いました。
「あんたたち、幽霊出るの確認に来たんでしょ?
よかったじゃん、見れて。」

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