投稿者:ひとみさん
寒くなってくると思い出してしまう話があるのですが・・・。
現在5歳になる息子が2歳半の頃の話です。
子供って、一人遊びをしている時に一人二役、
三役などをして遊んでますよね?
私が家事をしていて相手ができないときなどの、
日常の光景でした。
ところが、ある寒い冬の朝、
「おかあさん、あつこちゃんが寒いってぇ~」と言いにきました。
いつものごっこ遊びの話と思った私は、
「ストーブつけたら?」などと返事をしてました。
今日のごっこ遊びは「あつこちゃん」なのね、でもまた、
古風なお名前だこと、ご近所にもお友達にもいてないのになぁ。
などと思っておりました。
あつこちゃんの事を口にしだしてから、
1週間ほどたったころ、買い物の途中で
「おかあさん、あつこちゃんがお腹空いたっていってるから、
おにぎり買ってあげて」
「喉も渇いてるんだってぇ」と言いいだしました。
本人が欲しいモノを他人のフリして買わすには変でした。
その頃の息子はおにぎりの海苔が嫌いでしたから。
「おかしい?いつもと違う?」
疑問に重いながらも、
「そうなの?あつこちゃん、お腹すいてるんだぁ」と受け答えしてました。
人が沢山買い物してる大きなスーパーの中でしたが、
とてつもない悪寒がしてきました。
私がこのようになるときはかなりヤバイ時なのです。
さりげなく「あつこちゃん、今何してるのかなぁ?何処にいてるのかな?」
と聞きました。
すると息子は「あのね、真っ暗で寒いんだって」
「それでねお母さんがいなくなっちゃってね1人ぼっちなんだって」
「可哀想だねぇ」
『これは・・ヤバイ!!!! もってかれる!』
息子に怖がらせまいと平然と
「あつこちゃんには行くところがあるからさぁ、もう遊べないよって言える?」
と言いました。
もちろん私も必死で祈りました。
「息子は絶対わたせない」と・・・。
翌日の朝、ケロっとした顔で
「あつこちゃん、サヨナラだってぇ」と言ったきり、
息子の口から「あつこちゃん」の名前がでてくることはありませんでした。