投稿者:なりぞうさん
神奈川県三浦半島の突端にある城ヶ島は、
家から車で2,30分の距離にあります。
今から8年程前の夏のことですが、
私を含めた友人6名で城ヶ島公園の裏側に
位置する浜辺でキャンプをした時の話です。
鬱蒼と生い茂るススキの道を歩くこと10分。
断崖絶壁に突き当たり、階段を下りてゆくと
磯ばかりの城ヶ島には珍しい、浜辺が現れます。
日中は、暑い日ざしが降り注ぐ中、テントを張り、
シッタカ(巻貝)を磯で取ったりしていました。
やがて、日が暮れ始め、ぼろ雑巾に油を湿らせ、松明を燈し、6人で丸くなり、
PKO問題について話し合っていたその時、
テント後ろの藪から「ヴァァァ~!!」と言う男の低い叫び声が聞こえました。
皆一瞬静まり返り、「聞こえた?」と私が聞くと、全員が肯きました。
私は幽霊など全く信じていないので、テント後ろの藪へ
友人の一人と見に行きましたが、誰もそこにはいません。
普通の人間ならば、とても入ろうなんて考えないような藪です。
その日は、そのままテントに入り、翌日の明け方頃、
雷鳴が轟き、大雨となりました。
私は胸に苦しさを感じながらテントの中で雨がやむのを待っていました。
朝の7時ごろになると、ウソのように雨は上がり、
夏の日差しが戻ってきました。
テントをたたみ、そのまま家に戻ったのですが、
胸の息苦しさからは開放されないままです。
結局私はその夜、救急車に乗り病院へ運ばれました。
肺に大きな穴があいていたのです。
まるで、弓矢で貫いたような。