パネルの前

怖い話

パネルの前

投稿者:菊さん

私が小学校の時、初めて幽霊というものに遇った話をしたいと思います。
私が小学3,4年生の時だったと思います。
季節は覚えていません。

私の家は狭く、その当時夜は居間に父と母と私の3人で寝るようにしていました。

3つ違いの兄もいるのですが、兄は2階の自分の部屋で寝ていました。

居間は6畳で、TVとピアノとテーブルが置いてあるくらいです。

それと、壁には兄のサッカーの試合などのパネルが3つほど付けられていました。

いつものようにテーブルを片付けて床につきました。

西側から父、母、私の順番で南枕で寝るのが常だったと覚えています。
ふと目が覚めました。
父も母も寝ていたので真夜中だったと思います。
「私も寝なくちゃ」と思い、寝返りを打ったときに
壁にかけてあるパネルの前に何かがあるのが見えたんです。
つまり浮いてたと言う事になるんでしょうか。
暗かったのに何故かハッキリと見えました。

それは女の人の生首だったんです。

ウエーブがかかったボブくらいの髪で、パネルと睨めっこする感じの横顔でした。

生首だと思った瞬間、その女の人がゆっくり私の方に振り返ったんです。
目が合ってしまいました。真っ赤な目でした。
全身が寒くなったのを覚えています。

すると結構速いスピードで私の方に飛んできたんです。

私は目つぶるのが精一杯でした。

生首は私の頭の周りを2,3回、回っていきました。

目をつぶっていたから本当にそうしたかは解らないんですが
「ふふふ・・・」

という笑い声が、私の周りを回っているように聞こえました。
私はもうただただ恐ろしくて金縛りにかかっていた訳でもないのに
ピクリとも動けませんでした。
笑い声が聞こえなくなってどの位時間が経ったか解りませんが
私はやっとの思いで母にしがみつきました。

現在ではもう居間に寝てません。

今でも、あのウエーブの髪と真っ赤な目は忘れられません。

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