投稿者:いけんよさん
これは私の先輩から聞いたんですが、
大阪のR病院にまつわる話です。
廃業になってしまったその病院へ、
先輩の友達Nさんは友達2人を誘って肝試しに行ったそうです。
先輩も誘われたらしいんですが、私と同じく彼もビビリなので
最後まで断りつづけ、結局行かなかったそうです。
当然この話をするときも声がふるえていました…。
この病院には人がいないのは当たり前ですが、
メスや注射器などの医療器具やカルテは、
ナースステーションや病室、その他ありとあらゆるところに散乱していたそうです。
Nさん達3人は、おもしろ半分で散乱していた
医療器具を合計して7点ほど持ち出し、
それら全てはNさんが持ち帰ることになりました。
帰り着いたNさんは、疲れたので早く寝ようと、
パジャマに着替えているときに携帯電話が鳴っているのに
気がついたので画面を見ると非通知で、
「だれだよこんな時間に…」と少し不機嫌になりましたが「もしもし」。
相手を知ったNさんは愕然としました。
電話の向こうからは
「R病院のものですが、メスが3本と注射器が2本と
包帯が2つ何度数えても足りないんです。
お持ちにならなかったでしょうか?」という声が聞こえてきたらしいのです。
Nさんが急いで持って帰ってきたものを調べると、
確かに彼はメスを3本、注射器を2本、
包帯を2つ持ってきていました。
慌てた彼が「いいえ知りませんがねぇ。
他をあたって下さい」と答えると向こうは
「そうですか…」と言って電話を切ったそうです。
Nさんは初めはとても焦ったものの、よく考えると
一緒に行った友達のイタズラかもしれない、
と深く考えないで寝ようとベッドにはいったそうです。
するとまもなく、また携帯が鳴っています。
しかもまた非通知で。
Nさんはしぶしぶ「もしもし…」。
さっきの人の声です。
「あのー、やっぱり足りないんですけど…ご存知ないですかねぇ?」。
Nさんは「知りませんって言ってるでしょう!いいかげんにして下さい!」
と言って電話を切るという強気な態度をとりましたが、
さすがに焦ったのか持ち帰ったものを部屋の窓から全部捨てて、ようやく眠りについたそうです。
朝日が差し込み、小鳥の鳴き声が聞こえるとてもさわやかな朝。
目を覚ましたNさんは目の前の光景に言葉を失ったそうです。
Nさんの机の上には昨夜捨てたはずの
7点の医療器具がきれいに並べてあったのですから…