投稿者:傍観者さん
あれは小学校を卒業し、なおかつまだ
中学校に上がる前という、身分的には微妙な時期でした。
その日、同じ小学校の友人五人で集まり遊んでいました。
しばらくするとやることも無くなり、誰かが、
「こっくりさんでもやるか」
と言う事になり、早速紙と十円玉を用意しました。
みんなが準備している間に、わたしと友人のH君と。
「(他の友人たちはコックリさんを信じていないから)
自分たちで動かしちまおう!!」
とたくらんでいました。
やがて準備も完了し、コックリさんを始めました。
しばらくして、わたしは任意で友人の質問を面白おかしく答えていました。
やがてそろそろ終わろうとして「お帰りください」と友人の一人が言いました。
しかしその返答はまたもわたしが任意で動かし「いいえ」と答えると
「どうすれば帰ってくれますか?」と友人は聞き返します、
すると十円玉はわたしの操作を離れ
「ちをよこせ」と動き出したのです、
わたしはH君が動かしているのだろうと思い、
そちらを見るとH君はニヤニヤとこちらを見ていました。
なんどか「お帰りください」質問を繰り返すうちに
友人の中の女の子が目に涙をため始めました、
本能的に「女の子を泣かすな!!」という考えが浮かび、
再び任意で十円玉を操作し、
偽りのコックリさんを還しました。
その後、「怖かったね~」などとたわいも無い会話を
心の内では笑いながら話していました。
しばらく話しているとわたしは急に眠くなり、
寝不足がたたっていたのだろうと考え、
友人の部屋にもかかわらずウトウトと昼寝を始めました。
眠り始めて数分、わたしは頬をひっぱたかれる痛みで目を覚まし、
眼を開けると友人の一人が手を振り下ろしているのが見えました。
「何するんだよ!!」
と大声で言うと、
「何やってんだよ!?」
と真っ青な顔をしながら聴き返されました。
「何だコレ!?」
良く見れば自分の左手首からかなりの血が流れていました。
話によればわたしが眠り始めたかと思ったら突然起き上がり、
机の上にあったカッターナイフで自らの左手首を切り始めたらしいのです。
…後日、H君に話を聴くと「ちをよこせ」と答えたのは
わたしだと思っていたらしいです、
無論わたしはそんなことをしていません…
じゃあ、いったいどこの誰が?