投稿者:B-HEARTさん
それは配送先での事。
伝票にサインを貰い、次回の注文を聞こうと
担当の方に目線をあわせると、なにやら後ろに
奇妙な顔のようなものが
浮かんでいるのに気が付きました。
其れは霧の様に白く透明で、何を語るでもなく
私の事をジッと見つめ、
私は其の存在を無視していたつもりだったのですが、
…憑依されました。
一通りの配送を終え、トラックをパーキングエリアに止めると、
早速私の頭にくっ付いた霊との対話を開始、
…と言っても映像のみが脳裏に伝わって来ただけなのですが、
内容は次の通り、
…其れは青空の下、海面上に漂う彼(男性)は
遠くに見える山々を 最後の光景とし、海中に沈んでゆく…
推測ですが彼は素潜り(牡蠣取り?)の最中、
何等かの原因で溺れてしまった様でした。
次の日、死亡現場であろう松浦湾を臨む
海岸沿いで彼を浄化してあげました。
彼は只、自分の最後を誰かに知って欲しかったのでしょう。
私はこの件から数日後、約一ヶ月前に
配送先付近の海岸に打ち上げられた
溺死体のウワサを耳にする…