投稿者:B-HEARTさん
もう一年位経つでしょうか、師匠と
夜のドライブに出掛けている時の事でした。
師:「何か感じねぇ?」
私:「あぁ、さっきから左肩にビリビリ来てるねぇ…」
あと少しで師匠の家に辿り着くという所で、
この様な空気の悪い地区に入ろうとは…
面白そうなので原因を調べてみると、
其れは在る神社の鳥居にありました。
明らかに人の手によるイタズラであろう、
掛けてあったシメ縄は真っ二つに寸断されていました。
師:「これか、結界が破断してるねぇ」
私:「此れが全ての元凶ですか…」
此処まで来たら何となく奥が気になる、
私達は好奇心に背中を押され、鳥居を潜りました。
小高い丘の上へと続く細い一本道、
周りを竹藪に囲まれている為か月の光さえも
参道まで届かない。
私:「懐中電灯ぐらい持って来れば良かったかな?」
何とも間抜けな展開に足止めを喰らっていると、
突然参道の奥から殺気を帯びた突風が
吹き抜け、私達は好奇心諸共押し流され、
其の日は逃げる様に帰りました。
師匠の家に戻ると、
「アンタ又、連れて帰って来とるよ。」と、
おばちゃんからの指摘、
(師匠のお母さんも見えるんだそうです。)
あぁ…やっぱりか…
この出来事から数ヶ月経ったある日、
スポット探索もネタ切れになっていた頃、
師:「久々にあそこ行って見ようか」の一言で、
再びあの神社へ。
其処はもう当時の様な惨状とは打って変って
静寂に包まれ結界も元に戻っていました。
私達はリベンジと云う事もあってか、
気合で歩みを進めて行きました。
大体20m位進んだだろうか、前方の幅1mも無い
参道の両脇に二体の霊がその場所を守る様に立っている、
今回は其れが旧日本兵だと一目で確認できましたが、
更に進むと数人の軍人の姿、
一体この先に何があるというのか…
入り口から100m程登って来ると其処には
小さな祠と拝殿が在りました。
私:「此れを守ってたんですかねぇ?」
私が質問すると、師匠は人差し指を口に当て、
静かに言った。
師:「一寸待った…、足音がする」
…ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
竹藪の中を踏み締めながら四方八方から登って来る足音…
師:「やべぇ、囲まれた」
師匠はそう言うと祠に向かって印を結び、
怒りを静めるよう祈りました。
…暫らくすると次第に足音は無くなり、事なきを得、
帰りの参道であの二体の旧日本兵に一礼し、
神社を後にしました。
其処の神社は昔、陸軍兵が出兵前に戦勝祈願を
行った場所との事、本人(霊)が
言うんですから間違い無いでしょう。
「神聖不可侵」、此処は安易な気持ち(肝試し感覚)で
来て良い場所ではありませんでした、反省。