ズリズリ女

ズリズリ女 怖い話
ズリズリ女

ズリズリ女

投稿者:夏目さん


××トンネルに行こうぜ。」と雅則が誘ってきた。
「幽霊が出るって噂の?」「幽霊だけじゃねぇ。」
雅則がニカッと笑って
「風の噂じゃ、ろくろ首や口裂け女、のっぺらぼうまで出るらしいぜ。」
噂に尾ひれがつけすぎだ。
と、僕は、思ったが、興味はある。
「じゃあさ、竜ちゃん誘わない?」
「いや、来ないだろ。断られるだけだぞ。」
「ためしに言ってみようよ。」
僕は竜ちゃんのところに行って、
「竜ちゃんさ、今日の夜、××トンネルに行かない?」
と訊いてみた。
すると、「あぁ、いいぜ。」という返答が帰ってきたので、
雅則が「ええええぇぇぇぇぇぇ。」という声を上げた。
僕も内心めずらしいなぁと思った。
夜、雅則が遅れてきて「わりぇわりぃ、竜がさぁ、
まだ少し遅れるっていうからさ、お前らで先に行っててくれってさ。」
僕が「しょうがない。行こうか。」と言って、トンネルに入っていった。
少し短めのトンネルで、向こう側の景色が丸見えである。
僕と雅則はでそうだなでそうだなと思っていた。
と、ここで雅則が、トンネルの真ん中あたりで、
ポケットをもぞもぞさせて、笛を取り出した。
僕が「何それ、何に使うの?」
「ここでふくんだよ。」
「なんで?」
「そうすれば、出てくるって話だぜ。」
「ふーん。」
「じぁあ、いくぜ。」
と雅則が、笛をピー、ピー、ピー、と三回鳴らした。
鳴り終わると、また、静寂が訪れる。
15分待ってみても、なにもおこらない。
「おかしいなぁ~。」
「噂だから、本当はなにもないんじゃないの?」
「つまんねぇ~、帰ろうっか。」
「うん、そうだね。」
僕らは、きた道を引き返した。
すると、後ろのほうから、
トポ・・・トポ・・・ずり・・・ずり・・・・トポ・・ずりっていう音がしてきた。
「雅則、何か聞こえない?」
「ん?何が」「ほら、ずりっとかトポっとか。」
「ん?あっ、ホントだ。」
一瞬背中がゾクリとした。
後ろを振り向いて
※文字化けしていました※
体をひきずり、口からドボドボと血を吐いて、
目は充血し足はなく、体は妙に青かった。

僕たちは、一生懸命に走ったが、転んでしまった。
もうだめだって思ったら「わりぃ、遅れた。」と竜ちゃんが、
一升瓶の酒を持って立っていた。
「お、ホントにでんだなぁ。」と言って、
僕たち二人に、ポケットに入ってただろう塩を振りかけて、
酒を頭にかけた。
僕たちはポカンとしていた。
そして、竜ちゃんは、女のところに行って、
塩をおもいっきりかけて、酒をドバドバかけた。
そして、ゴニョゴニョなにかを唱え始めた。お経だろうか。
すると女は、スゥーッと薄くなり消えていった。
「成仏・・・・したのか・・。」
「いや、元の場所に戻っただけだ。」と、竜ちゃんがいい、
「感謝しろよ。今頃捕まっていたら、
お前ら二人ともアイツみたいになってたぞ。」
竜ちゃんそういうと「飯奢れよ、飯食ってきてねぇから。」と
きた道を引き返した。
僕たち二人も後に続く。
ホントに感謝している。
竜ちゃんと親友に慣れてよかったと思っている。


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