河童地蔵

心霊スポット

河童地蔵
福岡県北九州市若松区高搭山
河童地蔵2
河昔、この高塔山の上空で、島郷と修多羅のカッパ群が、縄ばり争いのため、
夜、手に手に葦の葉を太刀のようにひらめかして飛びたち、空中戦をした。
朝になると、戦死したカッパは、青いドロドロの液体になって田や畠に流れ込み、稲や野菜を腐らてしまった。
これを、聞いて現れたのが、日向の名貫川で、名痛坊というカッパを、
ヘチマの葉に封じ込んだ堂丸総学という山伏である。
総学は、人々の苦しみを救うため、法力によってカッパを地中に封じ込めようと決心し、この地蔵の前で祈祷を始めた。
石の地蔵をやわらかくする為の祈祷である。これを見たカッパ達は、すぐに仲間争いをやめて連合軍を作り、
美女に化けて誘惑し、金銀をつみ、お化けとなり、糞尿をたれ流して妨害したが、総学の祈祷は続けられた。
 やがて、何千べん目かの日の沈む頃総学が石地蔵に触れた時、石がへこんだので、
釘と金槌を取り上げ石地蔵の背中にあてた。経文が下におかれたすきに、カッパたちがとりついたが、
総学は、経文をとなえながら、釘を打ちこみ、釘が半分入った時、力つきて倒れた。
しかし、一念は成就して、カッパ達は木の葉のように舞い落ち、永遠に地中に封じ込められた。
 今でも、この石地蔵の背中には、釘が打ちこまれたままになっている。
~この伝説は、火野葦平の作品『石と釘』によるものである。~
河童地蔵3
河童地蔵
河童地蔵5
後ろに回ると釘が刺さっている。
河童地蔵4
河童地蔵にささった釘

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