千貫石堤においし観音という観音がある。
非常にさびしい場所にある。
途中道路は舗装されていなかった。
明らかに観光地としての整備ではない。
おいし観音像由来
この像は元禄4年(1691)に完成した
千貫石堤の主として牛と共に人柱となったと
伝えられる
19才の乙女おいしの怨霊を哀れんだ地元民が、
昭和51年に建立供養したものである。
臥牛像を配した眼下には2千haの沃土が開け、
湯煙りが山里の旅情を慰め、
西方には千古の縁奥羽連山が凛々として追る。
南無阿弥陀仏
千貫石堤溜池工事関係物故者之霊
慰霊
おいし観音建立の由来
と石碑にはある。
おいしは望んだわけでもなく人柱にされた。
人柱の際、子牛も一緒に埋めたそうである。
いまだにおいしや子牛の霊がこの辺りで目撃されるという。
数百年経ってもその怨念は消えていないのだろうか。