平戸市キリシタン資料館の近くに
うしわきの森という場所がある。
うしわきさま(おろくにんさま)
この小さい森を称して、うしわき様と呼ばれる。
幕命により平戸藩でも切支丹根絶を図るため、
切支丹宗門改奉行がおかれ、生月島里免上川と
この根獅子に押役が置かれていた。
根獅子での切支丹弾圧は激しく、昇天石がある
砂浜では多数の信者が処刑された。
これ等の遺体をこの地に葬り聖地とし、
今でも信者は素足でお参りしている。
このような弾圧の中でキリシタン信者は表面上、
他宗徒を装い「かくれキリシタン」「潜伏キリシタン」
「納戸神」と呼ばれ形を変えて信仰を守り通した。
禁教令が解かれた後、大部分はキリスト教に
戻ったが、この根獅子と生月島には今もなお
「納戸神」の信仰がつづけられている。
うしわき様(おろくにん様)の入口
霊地 おろくにん様
背後の石碑には
この森は幕府のキリスト教弾圧によって
処刑された幾多の殉教者が埋葬されている所である。
弾圧を受けた信者の子孫たちはいわゆる
「かくれ切支丹」として約250年の間
信仰を守りつづけてきたのである。
霊地 うしわきの森
ウシワキの森
ある夫婦と女の子三姉妹の前に、
一人の男の子が現れた。
家族がその働きぶりに感心、長女の婿に迎えた。
子をなし、もう大丈夫と思って一家がキリシタンと
告白した翌日にその男は姿を消し、
キリシタン取締まりの役人に、
一家は捕えられてしまった。
一家は両親はじめ、長女のお腹の子を含め
6人が(おろくにん様)、根獅子の浜昇天石で処刑された。
遺体は海に捨てられたが、村人達は遺体を拾いこの森に
手厚く埋葬、一帯を千人塚と称し聖地として敬った。
旧暦8月26日が命日(信者伝承)
中を進むとうしわきの森の象徴的な
石祠があった。
信者の方はここをお参りするという。
現在もお供え物が絶えない。
こちらをおろくにん様と呼ぶらしい。
すぐそばにもうひとつ石碑がある。
三界万霊塔
森の中の遺骨をまとめた無縁墓。