佐賀県白石町
秀林寺
1640年、佐賀藩鍋島勝茂公が花見に疲れ就寝していたおり、不思議な風が吹き、
暗闇の中から怪物が姿を現した。
千布元右ェ門邦行が切りつけると叫び声を上げ築山に逃げた。
このことがあって以来、家臣が発狂したり怪死したりした。
勝茂公自身も体調を崩した。
真夜中、勝茂公の寝室にただならぬ雰囲気に家臣が駆けつけると、
妾のお豊が「退け」と形相を変えて強く申し付けた。
同じような事が二日続いた事を知った千布元右ェ門邦行は重松という武士と
勝茂公の寝室を見渡せる場所に身を潜め、様子をうかがった。
お豊の影が障子にうつり、その姿は紛れも無い猫の影であった。
翌朝勝茂公の酒の相手をしていたお豊を千布元右ェ門邦行は槍で突いた。
勝茂は驚き、太刀を持って千布元右ェ門邦行を睨んだが、
「このお豊は怪物の変化」
と、お豊のわき腹に槍を突き刺した。
お豊は、血しぶきをあげながら中庭に逃れ、築山のかげに倒れて呷いていた。
みるみるうちにお豊は大三毛猫へと姿を変え、断末魔の叫び声を上げた。
そしてその化け猫の祠がここ秀林寺にある。
七尾の化け猫。
化け猫をしとめた千布元右ェ門邦行の墓。
鍋島勝茂公。
ご住職に親切に案内して頂きました。
秀林寺では猫塚の猫をかたどったおせんべいもあります。
ご住職に頂きました。