青い家
埼玉県某所の閑静な住宅街の中にその家はある。
さて、ここでは何があったのか。
高速道路の建設予定地にとある夫婦の住居の敷地が決まってしまった。
移転を余儀なくされた夫婦は自治体から移転先の土地を紹介される。
夫婦はそこに家を建て、そこで商売をはじめる。
家は住居兼店舗となった。
隣の敷地にはまだ一軒家が建てられそうである。
夫婦はそこに住居を建設し、賃貸住宅として家賃収入を得ることにした。
そして、その場所には青い家が建った。
しかし、夫婦は知らなかった。
自分達の住んでいる敷地と隣の家の敷地は移転前墓場であった事を。
やがてその青い家には若い夫婦が入居した。
妻は身重だった。
そして入居してすぐにその怪異は起こった。
二階にいると一階から大勢の人の話し声が聞こえる。
一階にいると今度は二階から。
もちろん誰もいないのだ。
身重の妻は大家である老夫婦に相談するが、
妊娠中で神経質になっているだけとなだめられるだけであった。
それは夫も同様だった。
妻は夫に何度も転居の相談をするが夫は耳を貸さなかった。
そして…
身重の妻は母になることなく、首を吊った。
やがて青い家は廃墟となった。
悲しみの中夫は姿を消したのだ。
やがて大家夫婦も亡くなり、その家に大家夫婦の子どもが住むことはなかった。
そして…その青い家と大家の家は廃墟となった。
噂は広まり、肝試しに訪れる若者もいた。
そのうちタクシー運転手の間にこの青い家の前で
タクシーを拾う妊婦がいて、途中で消えてしまうという噂が流れた
前の道は現在もタクシーが避けるという。
それがこの青い家。
入り口となるドア。
お分かりだろうか?釘が内部から打ち付けられ、
内部に侵入できないようになっている。
青い家の裏側。
敷地が墓場であったという名残を残すかのようにわずかに残っている。
古いもので明治時代のお墓があったが、かつてもっと古い墓が
あったのではないかと思われる。
隣の大家夫婦の住宅。
こちらも大家夫婦が亡くなってから空き家のままとの事。
青い家に侵入した不心得者が家の中のものを外に放りだしたようだ。
そのひとつに、育児雑誌があった。
ここに妊婦がいた事は間違いないようだ。
窓から見ると中にはまだ家財道具が残っている。
二階を見上げるとどうやら侵入者によってガラスが割られたようだ。
二階には家財道具は確認できない。※下から見た感じ
右側が青い家になる
そして左側には墓場。
奇妙な立地であることは間違いない。
再び正面から。
左側が青い家。
そしてすぐ右側が大家夫婦の店舗兼住宅。
霊感ない筆者だがここは寒気のする場所であった。
2012年某日、再び青い家を訪れた。
なんと青い家は取り壊されていた…
隣の元、大家の家はまだあるようだが…
こちらも取り壊されるのではないだろうか
残念なのか、これでよかったのか…