投稿者:緑茶さん
これは友人のK子から聞いた話。
K子は小学校に入学したあたりから、
怪談話に非常に興味を示すようになったそうです。
怖いものみたさ、神秘的なものへの憧れ、だったのでしょう。
そして、小学校3年の秋に学校で「幽霊」を見たそうです。
夏休みの宿題を研究会で発表することになったK子は、
クラスメート2名と夕方遅くまで準備をし、
先生に車で送ってもらう毎日でした。
K子はいつも返り支度が遅く、最後に教室を出ることが多く
悔しい思いをしたそうです。
「今日は一番に校門に着こう!」と決めたK子は、
ほかの二人より早く帰り支度を済ませ、
昇降口を飛び出しました。
「やったぁっ!1番っ!」と思ってあたりを見回すと、
運動場におりる階段のそばに
高さ2メートルくらいの光の柱が立っていました。
「なんだろう・・・」と思って近づいた、までは覚えているそうです。
そこからちょっと記憶が途切れたらしいです。
K子が我に返ったのは、クラスメートが昇降口から出てきたからです。
K子は何事もなかったように、先生の車に乗り帰路に着きました。
「あれ、おかしい」と気が付いたのは車が自宅に着く頃でした。
違和感にとまどいつつも、帰宅し、
1人で遅くなった夕食を食べながらK子は記憶をたどっていました。
あきらかに一部の記憶がつながっていないのです。
昇降口を出て、車に乗るまでの間のことが、少しづつ蘇ってきました。
私は、校舎の外で光の柱を見て、
「なにかの光の反射かな?」と校舎を振り返ったそうです。
廊下には灯りがついていますが、どう屈折しても、すりガラスを透して
蛍光灯の光がこんな大きな直立した光になるはずがない、
と幼いながらに思ったのを覚えているそうです。
K子は「おかしい」と、もう一度光るものを見ました。
女の人が浮いていました。
足下は50cmくらい地面から離れ、
光の柱の中に立っているようでした。
服は日本の着物ではなく、ゆったりとした、
大陸の民族衣装のようなものだったそうです。
K子はそれを眺めていました。
別に怖くはなかったようで・・・
しばらくすると、後ろでクラスメートがばたばたと走ってきて
靴を履き替える様子が分かりましたが、
K子はそれを見ていました。
はじめに出てきた子が、ぼーっと眺めている私を見て
「キャーッ」と悲鳴を上げたそうです。
K子はそこで我にかえりました。
そして1時間程度その記憶が抜けていたようです。
「そんなことはない。あそこに白い柱でも
立っているのを見間違えたんだろう」
そう言い聞かせて、K子は眠りにつきました。
翌日、大急ぎで登校した私は昨日の光のあった場所に行ったそうです。
そこには何もなく、ただのっぺりとした
平らなコンクリートの床しかありません。
教室に駆け込むと、昨夜悲鳴をあげたクラスメートを探しました。
すると、彼女も記憶の混乱があったようで、
「じゃあ、きのうのあれは、なに?」と
二人でパニックを起こすこととなったそうです。
ただし、彼女が叫んだのは「なにか」をみて
立ちつくしていた私をみたから、だそうです。
その「なにか」が、とうとうK子たちにはわからなかったそうですが・・・
女の人を見たのは気のせいだろうといわれても仕方ないです。
でも、あの不思議な感覚、リアルに蘇った記憶・・・。
なにもかもが勘違いだとはどうしても思えないそうです。